2012年10月

「トーマの心臓」のフランス語版が刊行されます

le coeur de thomas萩尾作品の外国語版のお知らせが続きます。

2012年11月21日、「トーマの心臓」のフランス語版が刊行されます。タイトルは"Le Cœur de Thomas"、出版社はKAZÉ MANGA。→amazon.fr

7月5日、パリのジャパンエキスポの初日に「トーマの心臓」のフランス語の翻訳が出るというニュースが出ました。そのため、萩尾先生のブースにはフランス人が「トーマの心臓」を探しに来たそうです。
12 NOUVEAUTÉS CHEZ KAZÉ MANGA !

その後、7月26日に、もう少し詳しいニュースが出ました。
MOTO HAGIO ENFIN ÉDITÉE EN FRANCE !

でも、その段階では「トーマの心臓」がKAZÉ MANGAという出版社の「MANGA CLASSIC」というシリーズの一冊として刊行される、というだけで、それ以上詳しいことはわかりませんでした。

KAZÉグループは独仏でエンターテイメント事業を行っている企業で、小学館集英社プロダクションが2009年に子会社化しています(その後KAZÉ社との関係はどうなっているかはわかりません)。
欧州における会社買収に関するお知らせ(平成21年8月28日)

そのため、信憑性が低いわけではないものの、そんなに早く出ることになるとは思っていませんでしたので、驚きました。

Le Cœur de Thomas (amazon.fr)
Le Cœur de Thomas (KAZÉ MANGA)

残念ながら、amazon.jpでは現在のところ取り扱いがありませんが、amazon.jpでも購入できるようになったら、このページに追記でお知らせします。また、リアル書店などでの比較的簡単な入手方法がわかりましたら、追記します。twitter等でも告知します。


Le Cœur de Thomas
出版社:KAZÉ MANGA
叢書名:KAZÉ CLASSIC
発行年月:2012.11.21
ページ数:465p
ISBN:978-2-82030-534-3
価格:18.99ユーロ

【11/22追記】
発売日の11/21が12/5に変更されていました。まだamazon.frにしかありません。
amazon.co.jp発売はできるのかわかりません...。
紀伊國屋書店では洋書を取り扱っている店舗であれば取り寄せてくれるそうです。ですが、発売にならないと価格が未定だそうです。発売されたら、また情報を追加します。

2012.10.31 20:16 | 翻訳

「ポーの一族」「11人いる!」にイタリア語版が出ていました

ポーの一族 イタリア語 1ニュースではありませんが、この度イタリア語の「ポーの一族」と「11人いる!」を入手しました。イタリア語版の「ポーの一族」はボローニャのカッパ出版というところから昨年の11月から今年の3月にかけて全3巻で刊行されています。

この翻訳の存在を知ることが出来たのは、萩尾先生が今年の7月にジャパン・エキスポでパリに行かれ、その際に本書の翻訳者である市口桂子さんとお会いになったことがご自身のブログにあがったためでした(パリで萩尾望都先生にお会いする - ボローニャゆらゆら)。この時の様子は『flowers』2012年11月号に掲載された「ジャパン・エキスポ イン パリ」という先生のコミックエッセイに出ています(市口さんはこの作品の中では何故かレディ・ガガになっています..)。市口さんはボローニャにお住まいで、エッセイや旅行ガイド、漫画を書かれておられます。

イタリア語の本を購入したことがなかった私は、図々しくも直接市口さんに日本での入手方法をお伺いしたところ、イタリア書房さんを教えていただきました。ちょっと時間はかかりましたが、ようやくこの度入手することが出来ました。

詳細はこちら→翻訳 - イタリア語

そして、ついでに2005年に出ていた「11人いる!」の存在に気付いたイタリア書房さんがは、親切にも私に教えて下さったので、もちろん同時に購入しました(こういう情報を教えてくれるところが、プロのお仕事ですね)。

発注なさりたい方へ。お値段は変わる可能性がありますので参考までに。2012年9月に発注した段階では「ポーの一族」は1冊1,575円、「11人いる!」は1,470円でした(日本での送料・代引き別)。発注方法・支払い方法等、詳細はイタリア書房に直接ご確認下さい。

発注はこちらにお願いしました→イタリア書房

イタリアにお友達のいらっしゃる方、これから旅行される方は直接現地で買えるのかもしれませんね。その場合もやはりお値段は変わりますね。

2012.10.31 14:28 | 翻訳

対談集第3弾「物語るあなた 絵描くわたし」が刊行されます

物語るあなた絵描くわたし2012年11月30日「萩尾望都対談集 1990年代編 物語るあなた 絵描くわたし」が河出書房新社から刊行されます。中島らも、夢枕獏、森博嗣、氷室冴子、ささやななえ、巖谷國士の豪華6名に加え、今回は新規で東村アキコとの対談も掲載されます。

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お相手の「物語るあなた」ですが、小説家ばかりにはなりませんでしたね。

収録対談の予想です。
夢枕獏:『ダ・ヴィンチ』1999年11月号―小説をマンガで描く愉しみと、マンガ化してもらう悦び
森博嗣:『ダ・ヴィンチ』1999年4月号―漫画人の顔
氷室冴子:「氷室冴子読本」1993年7月31日―空想からの発想
ささやななえ:「ささやななえ自選傑作集1かもめ/ダートムーアの少年」1997年1月―ささやななえ今昔物語
巖谷國士:『imago』1995年4月号―少女マンガという装置 無意識がうみ出す新しい世界

で、中島らもは2000年代のしかわからないのです。少し楽しみがあって、嬉しいです。

河出書房新社
1470円 2012年11月30日 256p ISBN978-4-309-27367-9

2012.10.20 14:02 | 単行本発売情報

10月13日小学館文庫「10月の少女たち」刊行

10月の少女たち2012年10月13日、小学館文庫から「10月の少女たち」が刊行されました。

収録作品は以下の通り。
「10月の少女たち」
「みつくにの娘」
「精霊狩り」
「ドアの中のわたしのむすこ」
「みんなでお茶を」
「千本めのピン」
「プシキャット・プシキャット」
「赤ッ毛のいとこ」
「花と光の中」
「あそび玉」
「影のない森」
「十年目の毬絵」
「デクノボウ」
「砂漠の幻影」
「神殿の少女」
「月蝕」
エッセイ:吾妻ひでお

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初期作品で、SF色の強いものが入っているかと思うと、純和風のストーリーも入っています。1972年から1984年になりますね。「精霊狩り」シリーズと「赤ッ毛のいとこ」は初期作品の中でも非常に親しみやすい作品なのに、何故か新しい小学館文庫に入っていませんでした。また、「あそび玉」も作品集の第2期に入っただけでした。
こういった現在では入手しにくい作品のうち、特にこれはもったいないと思われるものが集められたようです。でも「デクノボウ」は意外でした。

最後の「月蝕」はもともと『スターログ』というアメコミ仕様の雑誌に収録されたので、左開きでした。最初に収録された単行本は小学館叢書の「ポーの一族」3巻で、無理に右開きのまま逆に組み直していました。
『文藝別冊 萩尾望都』では左開きのまま収録されたのは、たいへんよかったのですが、右開きのそのまま読むと、何の注意書きもなかったので、ラストから読み始めて混乱したという声がネットではあがっていました。確かに、そういう作品だと知らなければ、そうなるだろうと思います。
今回は右開きで読み進め、「月蝕」に入る前にきちんと断り書きが入っているので、一番後ろまで行って読み返せるようになっています。さすがは小学館ですね。

この文庫の刊行により、小学館文庫、白泉社文庫、秋田文庫など、現在新刊書店で入手できない萩尾先生の作品はほぼなくなりました。残るのは「ユニコーンの夢」「いるかいないかさがし」「バースディケーキ」のみとなりました。10ページ以下の作品にはたくさんありますが。なんか惜しいですね。「いるかいないかさがし」は1冊で出してくれないかなぁ。
「夜の河を渡る」はまだここではないどこかシリーズが完了したとは聞いてないので、「王妃マルゴ」の後どうなるか、でしょうね。

小学館
690円 344p ISBN978-4-09-191405-7

とある10月・・・。住む場所も、歳も異なる少女たちは、それぞれにかけがえのない「時」を迎え、とまどい、心を揺らしながら少しずつ大人になろうとしていた・・・、やがて少女たちに訪れるのは? 伝説のコミック専門誌「COM」に発表されたオムニバス作品をはじめ、「精霊狩り」「赤ッ毛のいとこ」「みつくにの娘」などSF、コメディーからファンタジー等バラエティーに富んだ作品群は「少女まんが」に於ける混迷と萌芽の時代・1970年前後のリアルな息吹を伝える。ほかに入手困難だった青年誌掲載作品等16作を収録する必携の傑作短編集。

2012.10.13 1:30 | 単行本発売情報