2013年7月

「トーマの心臓」仏語版がバンド・デシネ批評家ジャーナリスト協会アジア作品賞ノミネート

ACBD ロゴフランスのACBD (Assosiation des critiques et journalistes de bande dessiné) バンド・デシネ批評家ジャーナリスト協会の主催するPrix Asie-ACBD(アジア作品賞)の候補に萩尾望都先生の「トーマの心臓」(Le Cœur de Thomas)がノミネートされていましたが、2013年7月10日に発表され、受賞したのは今敏さんの「オーパス」でした。
Prix Asie-ACBD(アジア作品賞)の過去の受賞作一覧。

2007年度「Gen d'Hiroshima」(原題「はだしのゲン」)中沢啓治
2008年度「Visiteur du Sud」Oh Yeong Jin(韓国)
2009年度「Undercurrent」(原題「アンダーカレント」)豊田徹也
2010年度「PLUTO」(原題「プルゥートゥ」)浦沢直樹
2011年度「ELMER」 Gerry Alanguilan (フィリピン)
「エルマー」ジェリー・アランギラン著、翻訳試し読み
2012年度「Une vie dans les marges」(原題「劇画漂流」)辰巳ヨシヒロ
2013年度「OPUS」(原題「オーパス」)今敏

なかなか公式サイトにあがらないので、一般の記事にリンクを貼ります。
« Opus » de Satoshi Kon, Prix Asie de la Critique ACBD 2013
他の候補は弐瓶勉「シドニアの騎士」、古屋兎丸「パレポリ」、福谷たかし「独身アパートどくだみ荘」でした。

2013.07.23 11:30 | 翻訳, 受賞

萩尾先生がキャラクターデザインのプラネタリウム番組、五反田文化センターでの上映時間

未来はぼくらがつくるんだ!萩尾望都先生がキャラクターデザインを務められた、日本SF作家クラブ50周年記念プラネタリウム番組「未来はボクらがつくるんだ!22世紀のものがたり」の東京五反田文化センターでの上映時間がわかりました。
期間は8月21日~9月1日。上映時間は30分。先着各回86人まで、だそうです。料金は大人(高校生以上)が200円、4歳~中学生が50円。

 8/218/228/238/248/258/268/278/288/298/308/319/1
 
11:00〜    
13:30~
15:30~    

場所は東京都品川区西五反田6-5-1 品川区立五反田文化センター5F 五反田プラネタリウム

五反田の後は仙台になります。
→2013年9月7日(土)、9月21日(土)、10月5日(土)、10月26日(土)19:10~19:40:仙台市天文台

日本SF作家クラブ50周年記念プラネタリウム番組のキャラクターデザイン(2012.8.8)

2013.07.22 23:17 | イベント

ジェンダーSF研究会 Sense Of Gender賞 生涯功労賞を受賞されました。

なのはな

2013年7月21日、第52回日本SF大会(こみこん)にて、ジェンダーSF研究会の主催する「Sense of Gender賞」の授賞式が広島市アステールプラザにて開催されました。第12回目を迎える2012年度の Sense of Gender賞はこれまでの「大賞」のほか今年度より「生涯功労賞」が新設され、この賞を萩尾望都先生が受賞されました。受賞理由は「萩尾望都『なのはな』及び全ての作品を讃えて」というものです。

「Sense of Gender賞」は、前年度1年間に刊行されたSF作品の中で、性差についての考えを深めていると考えられる作品を称えるもの。候補として審査にあがっていた萩尾望都先生の「なのはな」はジェンダーを考えさせるすばらしい作品であると評価されました。ところが、発表当時この賞がなかったため受賞することが出来なかった「マージナル」や「X+Y」シリーズなどさまざまな作品も選出できるであろうということで、萩尾先生のすべての年代での作品を讃えるために"遡及賞"として新設されたそうです。

賞の設立の経緯や趣旨については、SFジェンダー研究会 2012年度 第12回Sense of Gender賞 のページの中ほどに詳細に記載されています。(2013年7月22日現在、講評は未掲載ですが、8月初旬には載るそうです)。


そして、この受賞を受けて萩尾先生の受賞の言葉がこちらに掲載されています。
受賞の言葉

この文章が素晴らしいです。マンガを描き始めてすぐ自分は恋愛ものがうまく描けないことに気付き、女であることが自分を縛っていると気付き。男になりたい、女は不自由と考えたこともあったが、今は女でよかったと思う。不自由であるということは、脳を活性化する、と。

とにかく読んで下さい。

萩尾先生、受賞おめでとうございます。これからもたくさんの実験を続けて下さい。

【追記 2013年8月19日】選考委員の方の講評が掲載されました。「なのはな」の作品論としてもたいへん参考になる講評です。
2012年度 第12回Sense of Gender賞

ひかわ玲子(ファンタジー作家)、原田和恵(ワシントン大学・日本文学専攻(SF))、三五千波(漫画家)、灰原由宇(ジェンダーSF研究会会員)

2013.07.22 22:44 | 受賞

京都国際マンガミュージアムのバレエ・マンガ展に行ってきました。

バレエ・マンガ展ポスターが雨に濡れています7月13日からスタートした京都国際マンガミュージアムでの「バレエ・マンガ〜永遠の美しさ〜」に行ってきました。オープン初日、祇園祭で混雑し始めようかという京都は外国人と浴衣の女性が多く見られました。そんな中、午後は断続的な豪雨に見舞われ、雷も鳴り、まさに"嵐を超えて"京都MMにやってきたみなさんに混じり、展示を観てきました。

会場は京都MMの2階です。入口で館内への入場券を買います。大人800円。入口横にショップがありますが、まずは我慢して買い物は帰りに。展示に向かいます。展示会場は2Fです。京都MMはもともと小学校だった建物二つをつなぎ合わせたもの。ミュージアム全体は迷路のようです。展示会会場は部屋が二つに分かれていますので、一番奥の方まで行くのを忘れないようにして下さい。部屋と部屋の間には読むことが出来るバレエ・マンガの書棚もあります。(展示の様子

京都国際マンガミュージアム

全体では展示原画も非常に多く、掲載雑誌や古い本もたくさん展示されています。バレエの衣装の展示もあります。

萩尾先生は原画はカラー6点ですが、前期と後期と3点ずつです。これは他の先生のものも同様で、カラー原画は前後期で全て入れ替えだそうです。前期に行くと「プチフラワー」表紙やクロワゼの原画が見られません。逆に後期に行くと、「フラワー・フェスティバル」の見開き原画が見られません。両方来い、ということのようです。モノクロ4枚はずっと展示されています。

また、原画が掲載された雑誌の展示もあります。原画はありませんが、「海賊と姫君」「ローマへの道」のカラー扉も展示されていました。

展示内容詳細はこちらをご覧下さい→

グッズは図録と展示に出されたカラーの6枚の原画のポストカード、そして1種類だけA5のクリヤファイルがありました。詳細はこちら

萩尾先生以外の方のグッズもポストカードとクリヤファイルですが、京都MM特製「きせかえ」もあります。展示を観た後は1Fのショップで心置きなく購入して下さい。

とりあえず、萩尾先生のところだけレポートしましたが、ほかに11名の方の原画等が展示されていて、非常に濃い内容になっています。特に山岸凉子先生の原画が出るのはとても珍しいこと、とのこと。展示数も多いですし、貴重な機会であることには違いありません。少女漫画の中核をなすとまで言われているバレエ・マンガの流れを観るにはこれ以上ないという展示だと思います。マンガに興味がなくてもバレエは好きという方をお連れしても、きっと楽しめる内容になっていると思います。是非、行ってみて下さい。

イベント > バレエ・マンガ展

京都国際マンガミュージアム「バレエ・マンガ展 外伝!」を聞いてきました。

2013.07.14 9:32 | イベント