2017年8月17日

萩尾望都先生が第52回JXTG児童文化賞を受賞されることが発表されました

JXTG児童文化賞2017年8月16日、萩尾望都先生が第52回JXTG児童文化賞を受賞されることが発表されました。おめでとうございます。(→プレスリリース

JXTG児童文化賞は1966年に創設され、今年で52回目を迎える歴史ある賞です。日本の児童文化の発展・向上に大きく貢献した個人または団体をたたえることを目的とし、毎年1個人または1団体が選ばれ、トロフィーと副賞賞金200万円が贈られます。受賞者は作家、学者、研究者、評論家、歌手、俳優、人形劇の祭典、ミュージカル主宰者など、毎児童文化の各種分野から幅広く受賞者が選ばれています。昨年の受賞者はあまんきみこさん、その前は五味太郎さん。遡ると、椋鳩十、松谷みよこ、長新太、山中恒児、佐藤さとる、今江祥智さんなど、名だたる児童文学作家、絵本作家が受賞されている賞です。,漫画家としては初の受賞となります。
賞の詳細はこちら(PDF)

萩尾先生の受賞理由は以下の通りです。

1970年代に、『ポーの一族』、『トーマの心臓』、『11人いる!』を皮切りに少女漫画の世界を、少年たちの未分化で妖しく、美しくはかない世界の交流へと変身させ、児童文化に新しい風を吹き込んだ。そのみずみずしい感性は、『ウは宇宙船のウ』や『百億の昼と千億の夜』などのSF、『イグアナの娘』、『残酷な神が支配する』などのサイコ・サスペンスへと結晶し、現代社会の諸問題を扱って人々に衝撃を与えた。時空間を自在に超える視野と、スケールの大きい世界の中で人間存在を見つめる鋭い眼を持ち続け、現代社会に新しい提案を発し続けている。東日本大震災の後は、原発事故を扱った『なのはな』などで現代を問い続けている。児童文化の世界にとどまらない多彩な内容の作品で、漫画を、文学を感じさせる高みへ引き上げた多大な功績は高く評価される。(児童文化賞選考委員会)

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JXTGって聞き慣れない名前ですね。JXTGホールディングスは2017年4月のJXグループと東燃ゼネラルグループが経営統合された企業です。1966年から2016年まで活動してきた「東燃ゼネラル児童文化賞」がこの経営統合を機に、今年度より名称が変更されたようです。
尚、経営統合の前のJXグループの中には新日本石油がおり、この新日本石油の方で行われてきた「JX-ENEOS童話賞」の方はまた別に続いています。こちらは作品を募集する形での童話のみの賞です。混乱しやすいので追記しておきます。JXTGの方は児童文化賞のほかに音楽賞があります。

児童文化賞の歴代受賞者はこちら。


贈賞式は2017年9月28日(木)にホテルオークラ東京にて開催され、受賞者にトロフィーと副賞賞金200万円が贈呈されます。去年までは記念公演として児童文化受賞者は講演を、音楽賞受賞者のコンサートが開かれていたようですが(児童文化賞・音楽賞 受賞記念公演)、今年はどうなんでしょうね?

受賞