作品目録

秋の旅

 

初出誌
「別冊少女コミック」1971年10月号(1971.10.1) p189~212(24p)
あらすじ
ある秋の日、ヨハンは作家のモリッツ・クラインを訪ねる。内気なヨハンは憧れの作家を前に何も言えず、クラインに娘のルイーズのボーイフレンドと間違えられてしまう。
ルイーズはヨハンとおしゃべりするうちに、彼の訪問の本当のわけがわかってしまう。それは...
コメント
初期短篇の中では最も素晴らしい作品の一つです。
特にオープニングとエンディングが美しい。「その家は小さな池のほとりに建っていた。ぼくは はっきりおぼえている」というヨハンの語りから物語は始まります。
そして「その家は小さな澄んだ池のほとりにあった。ぼくは はっきりおぼえている」でラストシーンが始まるのです。これは完全に音になっていて、私にはヨハンの声が聞こえてきます。やはりこういう時はドイツ語が合います。
「ヨハン!」と叫ぶクラインの声と汽車の音がオーバーラップしています。クラインのアップとヨハンのカット、そしてヨハンの回想のカットが次々とフラッシュバックしていきます。
このラスト3ページ、光の使い方が実に巧みです。こういうのを映画的な美しさと言うのでしょう。
収録書籍
トーマの心臓 第3巻(フラワー・コミックス 43)

トーマの心臓 3 フラワーコミックス 小学館 1975.6

11月のギムナジウム―ロマン短編集

11月のギムナジウム―ロマン短編集 小学館文庫 1976.4

萩尾望都作品集 第4巻 セーラ・ヒルの聖夜

萩尾望都作品集 4 セーラ・ヒルの聖夜 小学館 1977.5

11月のギムナジウム

11月のギムナジウム 小学館文庫(新版) 1995.12

愛の宝石

Flower Comics Masterpieces 
愛の宝石 小学館 2012.12

入手しやすい本作品収録の単行本 11月のギムナジウム

11月のギムナジウム 小学館文庫(新版) 1995.12

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参考情報
翻訳:英語

10月の少女たち

11月のギムナジウム