作品目録

ジュリエットの恋人

 

初出誌
「プチフラワー」1991年3月号(1991.3.1) p7~56(50p)
登場人物
サンドラ:23歳。カナダ帰りのダンサー。
アルノー・アラス:27歳。モスクワ帰りのダンサー。
マダム・リタ:バレエ団の指導者。
ヴィルジニー:バレエ団の団員。
オリバー・モロー:バレエ団の団員。
レヴィ:バレエ団の団員。
ミツグ:バレエ団の団員。
エルヴェ:アルノーの弟。
あらすじ
ヴァロナ劇場で「ロミオとジュリエット」を踊ったカップルは結ばれる。そういうジンクスがパリのバレエ関係者の間で出回っていた。サンドラもかつてヴァロナ劇場でロミ・ジュリを踊ったことがあるが、その後カナダへ渡り、パリには5年ぶりに戻って来た。すると同じバレエ団に当時ロミ・ジュリを踊ったパートナーのアルがちょうど誘われてやって来ていた。アルもサンドラとロミ・ジュリを踊った後、モスクワへ行ったのだ。
なぜか二人は再会したときからケンカごしで、バレエ団は二人で一緒に「ロミオとジュリエット」を演じさせようとするが、やらないと言い切る。プロとして契約したのだから演じなさいと言われ、しぶしぶ練習に入ると、仲が悪いとは思えない踊りっぷり。
サンドラはオリバーを相手に酔って告白する。アルが好きだと。ところがアルの方は弟のエルヴェのことがあり、サンドラを好きになってはいけないという思いをずっと抱えてきた。弟がけがをして、ちょうどロンドンから弟の公演を見にやって来たアルが代役で踊った「ロミオとジュリエット」の相手がサンドラだったのだ。代役が非常に好評だったため、エルヴェはショックでオートバイを飛ばし、事故に遭って死んでしまったのだ。エルヴェの死の原因が自分にあるとアルは思っているが、サンドラはエルヴェの気持ちに気付いてすらいなかった。
頑なにサンドラを拒むアルだが、公演は近づいてきて、練習を重ねるごとに息が合っていく二人。サンドラの気持ちは通じるのか…?
コメント
「ロミオとジュリエット」にちなみ、愛し合っているのに結ばれなかった二人のその後、といった趣の作品。バレエのパートナーと恋に落ちることは、よくあることなんですね。フィギュア・スケートなんかも夫婦のペア多いですし。
最初のサンドラとアルのお互いのことをけなす様が「あぁ好きなんだなぁ」という感じで、おかしいです。ツンデレの恋が萩尾先生は好きですね。

2010.7.21

収録書籍
青い鳥―ブルーバード(プチフラワーコミックス84)

青い鳥―ブルーバード(プチフラワーコミックス)小学館 1991.5

感謝知らずの男


感謝知らずの男 小学館叢書 1996.7

感謝知らずの男

感謝知らずの男 小学館文庫 2000.9.10

愛の宝石

Flower Comics Masterpieces 
愛の宝石 小学館 2012.12

ロットバルト

感謝知らずの男