萩尾望都　残酷な神が支配する：萩尾望都作品目録

初出誌

「プチフラワー」1992年7月号～2001年7月号（全55回） 3,233p
第1回：1992年7月号（1992.7.1）　p169～218（50p）
第2回：1992年9月号（1992.9.1）　p103～152（50p）
第3回：1992年11月号（1992.11.1）　p105～154（50p）
第4回：1993年1月号（1993.1.1）　p65～114（50p）
第5回：1993年3月号（1993.3.1）　p139～200（62p）
第6回：1993年5月号（1993.5.1）　p153～216（64p）
第7回：1993年7月号（1993.7.1）　p203～266（64p）
第8回：1993年9月号（1993.9.1）　p187～248（62p）
第9回：1993年11月号（1993.11.1）　p57～110（54p）
第10回：1994年1月号（1994.1.1）　p307～372（66p）
第11回：1994年3月号（1994.3.1）　p267～319（52p）
第12回：1994年5月号（1994.5.1）　p218～264（47p）
第13回：1994年7月号（1994.7.1）　p279～326（48p）
第14回：1994年9月号（1994.9.1）　p79～122（44p）
第15回：1994年11月号（1994.11.1）　p333～394（62p）
第16回：1995年1月号（1995.1.1）　p109～170（62p）
第17回：1995年3月号（1995.3.1）　p7～72（66p）
第18回：1995年5月号（1995.5.1）　p203～266（64p）
第19回：1995年7月号（1995.7.1）　p139～202（64p）
第20回：1995年9月号（1995.9.1）　p205～262（58p）
第21回：1995年11月号（1995.11.1）　p171～232（62p）
第22回：1996年1月号（1996.1.1）　p89～152（64p）
第23回：1996年3月号（1996.3.1）　p205～266（62p）
第24回：1996年5月号（1996.5.1）　p171～232（62p）
第25回：1996年7月号（1996.7.1）　p105～168（64p）
第26回：1996年9月号（1996.9.1）　p105～166（62p）
第27回：1996年11月号（1996.11.1）　p57～120（64p）
第28回：1997年1月号（1997.1.1）　p119～180（62p）
第29回：1997年3月号（1997.3.1）　p59～120（62p）
第30回：1997年5月号（1997.5.1）　p59～120（62p）
第31回：1997年7月号（1997.7.1）　p7～70（64p）
第32回：1997年9月号（1997.9.1）　p173～234（62p）
第33回：1997年11月号（1997.11.1）　p57～120（64p）
第34回：1998年1月号（1998.1.1）　p235～296（62p）
第35回：1998年3月号（1998.3.1）　p7～68（62p）
第36回：1998年5月号（1998.5.1）　p105～168（64p）
第37回：1998年7月号（1998.7.1）　p59～120（62p）
第38回：1998年9月号（1998.9.1）　p121～184（64p）
第39回：1998年11月号（1998.11.1）　p69～120（52p）
第40回：1999年1月号（1999.1.1）　p57～124（68p）
第41回：1999年3月号（1999.3.1）　p171～240（70p）
第42回：1999年5月号（1999.5.1）　p7～66（60p）
第43回：1999年7月号（1999.7.1）　p171～234（64p）
第44回：1999年9月号（1999.9.1）　p61～126（66p）
第45回：1999年11月号（1999.11.1）　p187～250（64p）
第46回：2000年1月号（2000.1.1）　p105～166（62p）
第47回：2000年3月号（2000.3.1）　p203～266（64p）
第48回：2000年5月号（2000.5.1）　p7～56（50p）
第49回：2000年7月号（2000.7.1）　p219～266（48p）
第50回：2000年9月号（2000.9.1）　p243～288（46p）
第51回：2000年11月号（2000.11.1）　p49～94（46p）
第52回：2001年1月号（2001.1.1）　p275～324（50p）
第53回：2001年3月号（2001.3.1）　p247～296（50p）
第54回：2001年5月号（2001.5.1）　p57～101（45p）
最終回：2001年7月号（2001.7.1）　p299～357（59p）

受賞

第1回（1997年）手塚治虫文化賞優秀賞受賞

登場人物

ジェルミ・バトラー：ボストンに住む高校生。
グレッグ・ローランド：ロンドンに住む資産家。
イアン・ローランド：グレッグの長男。
サンドラ：ジェルミの母親。グレッグと再婚した。
マット・ローランド：グレッグの次男
リリヤ：グレッグの先妻。
ナターシャ：リリヤの姉。イアンとマットの伯母。
ナディア：イアンの恋人。
マージョリー：ナディアの妹。
リンドン：保険調査員。グレッグの事故を担当したことからイアンの精神的バックアップをする。
オーソン：精神科医。
バレンタイン：オーソンの孫。
エリック：オーソンの孫。バレンタインの双子の兄。
キャス：ボストンでのジェルミの友人。

あらすじ

ジェルミはボストンに暮らす高校生。母のサンドラの再婚のため、ボストンからロンドンへ引っ越した。サンドラの再婚相手のグレッグは表向きは立派な紳士だが、ジェルミに性的暴力を加える。ジェルミは拒絶するもサンドラの幸福を願うが故にグレッグの狡猾な圧力には逆らえず、虐待はひどいものになっていき、ジェルミは次第に追い詰められていく。ついに自動車事故に見せかけてグレッグを殺害することに成功するが、同時に母のサンドラも失ってしまう。

一方、グレッグの長男イアンは何も気付かず一緒に暮らしていた。父の死に不審を抱いたところから、ジェルミとグレッグの関係に気付く。助けを求めていたジェルミを追い出し、ボストンに帰してしまっていたことから、ジェルミを取り戻しに行く。果たして、イアンはジェルミを救うことができるのか…？

コメント

萩尾先生の最長編作品であり、最高傑作です。あまりにも深い内容なので、気軽に読むことはお勧めできませんし、ここでも詳しくは書けません。特に今現在、精神的・身体的な虐待を受けていたり、メンタル系の病気にかかっている方には決してお勧めはいたしませんが、逆に救いになる可能性もあります。どうかご自身でじっくり考えてから取り組んでください。

ひとつだけ言わせていただくと、これは児童虐待・性的虐待の物語ではありません。「再生」「癒し」「救出」そして「殺人は許されるか」がキーワードかと思います。人は簡単には救えません。人は簡単には再生できません。それでももがき苦しむイアンと一緒に、ジェルミを助け出してください。果たしてジェルミは救われたのか、それもどうか読んでください。

イアンが「悲しみ」と名付けたシーン、バレンタインが告白するシーンが特に私には印象に残っています。とても美しい場面です。できれば、読んでみてください。

2010.8.30

収録書籍