作品目録

世界の終わりにたった1人で

シリーズ・ここではないどこか 第13話

初出誌
「flowers」2007年10月号~2007年11月号 73p
前編:2007年10月号(2007.10.1) p143~174(32p)
後編:2007年11月号(2007.11.1) p209~239(31p)
登場人物
生方正臣:作家
生方洋宇子:正臣の妻
生方清美:正臣の長女
生方サトル:正臣の長男
千田照比:正臣の血のつながらない弟。正臣の母の再婚相手の息子
千田かおり:照比の母親。巴の2度目の妻。
生方玲奈:正臣の母親。
千田巴:照比の父親。生方玲奈と再再婚した。
天海:玲奈と巴の間に生まれた子。正臣とは異父兄弟、照比とは異母兄弟
大津ちづ:画家。照比の師匠
中子:大津ちづの娘
金倉美子:大津ちづの孫
大川君江:大津ちづの秘書
楠:清美の級友
あらすじ
生方は血のつながらない弟の千田照比から画家・大津ちづの個展の招待状を受け取る。照比は今ちづの弟子になっているらしい。個展にでかけて、「海」の絵についほろりとしてしまう生方。照比は「桜散る」という絵を気に入って、ちづからもらえるという約束を取り付けていた。
その後、大津ちづが亡くなり、葬儀が行われたが、照比が「桜散る」をもって逃げたという連絡が入る。照比をつかまえた正臣は絵をもって一緒に大津の自宅へ向かう。そこで照比の母親に出会う。照比には記憶がないが、照比が5歳までの間、大津ちづの家で世話になっていたという。その上、照比の父親に「海」の絵を譲るという遺言状が出てきたという。千田らと大津ちづには浅からぬ因縁がありそうで…。
コメント
前後編の2回に分けて発表されました。とても登場人物が多く、そして家族関係・人間関係が複雑ですが、その辺は上手に説明してくれています。東京オリンピックとか万博とか、年代もリアルです。おそらく1978年の宮城県沖地震が「誰もいない海」「世界の終わり」「何もかも流してしまう水」のイメージの源泉だったのでしょうか。
大津ちづが「世界の終わりにたった1人で」海辺にいて、会いたい人は誰でしょう?生方は14歳で亡くなった弟(宇宙船運転免許証にも出てきます)に会いたいとのこと。あなたは誰ですか…?
この作品は是非、ヤコブ・ガーデのタンゴ「ジェラシー」を聴きながら読みましょう。
収録書籍
スフィンクス

スフィンクス(フラワーズコミックス)小学館 2009.12.15

山へ行く

山へ行く(小学館文庫) 小学館 2016.3.20

入手しやすい本作品収録の単行本 山へ行く

山へ行く(小学館文庫) 小学館 2016.3.20

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