エッセイ

「手塚治虫文化賞受賞作家が選ぶBest of 手塚's Work」に萩尾先生推薦作品が収録されています。

手塚治虫文化賞受賞作家が選ぶBest of 手塚's Work2016年9月20日、「手塚治虫文化賞受賞作家が選ぶBest of 手塚's Work 」が刊行されました。手塚治虫文化賞20周年の一環だと思います。

手塚治虫の短編の中から、「これぞ傑作! 」という作品を8名の手塚治虫文化賞作家が選んだもので、選者は8名。収録作品は以下の通りです。
萩尾望都「ジョーを訪ねた男」
浦沢直樹「安達が原」
諸星大二郎「人間牧場」
こうの史代「ゴッドファーザーの息子」
ヤマザキマリ「ガラスの脳」
村上もとか「マンションOBA」
岩明均「紙の砦」
今日マチ子「カノン」

「ジョーを訪ねた男」は1968年9月に『プレイ・コミック』誌にて発表された作品で、「空気の底」という連作短編シリーズの一編。ベトナム戦争にからめた差別をめぐる物語です。非常に内容の濃い16ページの作品となっています。
萩尾先生の「半神」も16ページによくこれだけ詰め込んだと言われますが、その源流は手塚作品にありました。

1ページ、推薦の言葉を添えられています。

2016.09.20 21:51 | エッセイ

エッセイ集「一瞬と永遠と」の文庫版が刊行されました

一瞬と永遠と2016年5月6日、「一瞬と永遠と」(朝日文庫)が朝日新聞出版から刊行されました。これは2011年6月に幻戯書房から刊行されたエッセイ集の文庫化です。文庫化にあたり、2本のエッセイ、文庫化にあたっての萩尾先生ご自身のあとがき、そして穂村弘さんによる解説が新たに追加されています。

「一瞬と永遠と」

この追加された2本のエッセイは「女心」と「わが師の恩」というもので、後者は2015年夏に逝去された山本順也氏についてのエッセイです(初出は1990年の週刊朝日)。山本氏は萩尾先生が講談社でなかなか原稿が採用されない時期に紹介されて小学館へ原稿へもっていくと、これまでのものも全部持ってくるよう言った方です。『少女コミック』の時代、『プチフラワー』の時代、ずっと直接担当されていたわけではありませんが、近くで見守ってこられました。直接的なことはあまり言わない山本氏が萩尾先生にとって、どんな存在であったかが書かれています。最後の「三度の鐘」についてお話しをうかがってみたいものです。

この文庫版用に追加されたあとがき「道のり」も山本氏とのお話しです。「いやあ、違うよ。」と笑いながら、お腹の中で「わかってんだろう?」と言ってるような、そしてそれを萩尾先生も充分わかってる。そんなお二人のやりとりが書かれていて、思わず私もほほえんでしまいました。そしてこの出来事が「トーマの心臓」の不人気(今では信じがたい)に苦しんでいた萩尾先生へ、どれほどの励ましになったことかと思うと、胸が詰まります。

この時期に出された本に、このエッセイを追加されたこと、そしてこの文庫版のあとがき。「今、わたしは、ここにいる。」と過去のエッセイ集をあらためて出したあとがきにそう書かれているのです。是非、読んでみてください。

尚、表紙のイラストは「あぶない未来少年」の予告カットです。『ファンタジーDX』1994年6月号に掲載された、7月号の予告です(by 図書の家)。

2016.05.02 11:44 | 単行本発売情報, エッセイ

「猫は音楽を奏でる」に萩尾先生のエッセイが掲載

猫は音楽を奏でる2013年3月16日に竹書房から刊行された「猫は音楽を奏でる」『月刊ねこ新聞』に掲載された、猫に魅せられた各界著名人による42篇の短篇エッセイ集です。

2011年8月号に萩尾先生も『月刊ねこ新聞』に「萩尾さんちのねこたちです。」を寄稿されましたが、こちらも収録されています。

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猫は音楽を奏でる:竹書房

2013.03.22 14:23 | エッセイ

平凡社「こころ」のコラム第6回(最終回)

こころ vol.62012年4月13日に発売された平凡社『こころ』の萩尾先生の連載コラム「本のいろあい」第6回が掲載されました。

今回は「なぜデザインが必要なのか―世界を変えるイノベーションの最前線」という本を取り上げられています。エレン・ラプトン、カーラ・マカーティ、マチルダ・マケイド、シンシア・スミスという世界のデザイナーたちが取り組んでいるのは「どうすればクリーンなエネルギーを生み出せるか」というコンセプトに基づいたデザインです。

震災による原発事故で鬱々とした気分を抱えた萩尾先生は、そうやって未来の地球を心配してくれる人々がいることを知り、ほっとされたようです。

『こころ』での連載は今回が最終回になります。

平凡社「こころ」

2012.04.15 11:17 | エッセイ

平凡社「こころ」のコラム第5回

こころ vol.52012年2月13日に発売された平凡社『こころ』の萩尾先生の連載コラム「本のいろあい」第5回が掲載されました。

J.G.バラードの「殺す」を取り上げられています。1988年に書かれ、1998年に東京創元社から翻訳が出て、2011年に文庫になったこの作品。140ページの短めの本ですが、萩尾先生はその先見性に目をみはられています。

平凡社「こころ」

2012.02.15 20:05 | エッセイ

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