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「一度きりの大泉の話」書評まとめ

一度きりの大泉の話「一度きりの大泉の話」の書評をまとめてみました。プロのライターさんによるもの、掲載が有料媒体かネットでも商用運営のものに絞っています。
本サイトは読者のために「この作品はこの本に入ってる」読書ガイドとして作成された書誌サイトですが、研究者のための参考文献のインデックスもしております。その中で「書評」を全部扱っていくことは数の問題で難しいこと、マンガは新聞書評などの対象でなかったこともあり、専門誌の記事で扱われた場合しか取り上げていません。そのため、収録するページがなく、この場にまとめておいて、随時追加していく予定です。


2021.5.8
山崎まどかの『一度きりの大泉の話』評:萩尾望都が竹宮惠子に向けていた眼差しとその痛み(Reala Sound)
文=山崎まどか
https://realsound.jp/book/2021/05/post-756027.html
※山崎まどかさんは海外文学好きにはとても親しみのあるライターさんです。全体としてはさすがだなぁと思うのですが「軽蔑」はちょっと言い過ぎかなと。お母様が『週刊マーガレット』の編集をされていたお話も興味深いです。

2021.5.10
「一度きりの大泉の話」を新聞記者が読んだら(小原篤のアニマゲ丼)(朝日新聞デジタル)
文=小原篤
https://www.asahi.com/articles/ASP5642NVP54UCVL01J.html
※朝日新聞社でマンガに強い小原さんのレビュー。「大泉本」の根底にずっと流れる「裏はとっている」という言説に注目されています。この頻繁に裏があることを提示する書き方は編集側の強い意向があるのでは?と私は想像しています。

2021.5.19 夕刊(4面)
萩尾望都の衝撃―ニッポンへの発言(毎日新聞)
文=中森明夫
https://mainichi.jp/articles/20210519/dde/014/070/008000c
※途中余計なコラムの話がなければいいのなぁと思いました。

2021.5.20
萩尾望都による、一度きりの"レクイエム" ――出会いと別れの大泉時代(ダ・ヴィンチ)
文=成田全
https://ddnavi.com/review/784191/a/
※「ポーの一族」の再開と「少年の名はジルベール」の刊行が同じ年だったことは関係ありません。『フラワーズ』の15周年記念で描き始めたのがきっかけだし、2014年の講演会で続編を考えているとの発言がありました。

2021.5.20 8:00
少女マンガ解説者・和久井香菜子が読む『一度きりの大泉の話』 萩尾望都と竹宮惠子、それぞれの意志と覚悟(Real Sound)
文=和久井香菜子
https://realsound.jp/book/2021/05/post-763146.html
※たくさんのいい着目点がある書評です。中でも「「二度と竹宮さんの作品は読まない」と決めて、それを実行するのはどれだけの意志が必要だったでしょうか。」という点に着目したのはいいなと思います。その通りです。ただ小学館のパーティなどは1000人規模なので、同じ会場にいてもすれ違う程度だったのではないかと。おそらく「顔を出さない」ということはなかったと思います。

2021.5.22 08:00
【本ナビ+1】学習院大教授 中条省平 少女マンガ史の必読文献『一度きりの大泉の話』(産経新聞)
文=中条省平
https://www.sankei.com/life/news/210522/lif2105220008-n1.html
※中条先生の書評はもっと読みたいです。残念ながら短いです。

2021.5.25 10:04
<2050年のメディア>第61回 萩尾望都と竹宮惠子 二人の自伝を読む。 その前編〈サンデー毎日〉
文=下山進
https://mainichi.jp/sunday/articles/20210524/org/00m/040/001000d
※グスタフの眼病を「妻から息子のオスカーが、自分の子ではないと言われたからだ」との断定は深読みしすぎでは?それは以前からうすうすわかっていたこと。妻を殺した方でというのならまだわかります。そもそも心因性とは描かれていません。
2021.6,1 後編
https://mainichi.jp/sunday/articles/20210531/org/00m/040/001000d


2021.5.26 20:00
漫画家・萩尾望都が初めて明かす、大泉での共同生活。美化される友情物語の真実とは――(本の雑誌ーBOOK STAND)
文=鷺ノ宮やよい
https://bookstand.webdoku.jp/news/2021/05/26/200000.html
※大島弓子先生→木原敏江先生については訂正が入っています。ろくに読んでないことが発覚。

2021.5.29 5:00
(書評)『一度きりの大泉の話』 萩尾望都〈著〉(朝日新聞)
文=トミヤマユキコ
https://www.asahi.com/articles/DA3S14920804.html
※今のところ(2021.5.30)一番いい書評だと思います。短い中に、本の意図をきちんと汲んで読者に伝えてくださっています。


2021.5.9
『一度きりの大泉の話』初めて明かすあの日の出来事(HONZ)
文=首藤 淳哉
https://honz.jp/articles/-/45987
※厳密に言うとプロの方ではないですが、サイトは商用のブックレビューサイトです。

2021.4.23
gonriさんのレビュー
https://booklog.jp/users/gonri/archives/1/4309029620
※読者のレビューを全部目を通しているわけではありませんが、とてもよかったです。アップされるのも早かったので読めました。

2021.5.6
「大泉サロンなど、なかった」ー『一度きりの大泉の話』萩尾望都ーから蘇る子どもの記憶は、きっとあなたにも繋がっている。マンガを愛する全ての人たちへ。
文=小野山理絵
https://note.com/rieonoyma6468/n/n89a8d731f50c
※このブログもすごく良かったのでイレギュラーですが載せてください。twitterのプロフィールに元マンガ評論家とあり、なるほどと思いました。


2021年6月からの追加
2021.6.3
少女マンガ界のトキワ荘 大泉サロンで起きたこと(Bookwormの読書万巻)
文=唐沢俊一
週刊新潮 2021年6月10日号
https://www.bookbang.jp/review/article/686925
※商業誌に掲載される書評のレベルではない凡庸な何が言いたいのかわからない書評でした。

2021.6.14
萩尾望都『一度きりの大泉の話』が書きたかったのは竹宮惠子のことではなく(論座)
文=青木るえか
https://webronza.asahi.com/culture/articles/2021061200001.html

2021.6.15
天才・萩尾望都の恐ろしさを思い知らされる『一度だけの大泉の話』(論座)
文=青木るえか
https://webronza.asahi.com/culture/articles/2021061200002.html
※迫力のある論評です。

2021.7.2
少女漫画界における若き才能同士の葛藤が綴られた自伝『一度きりの大泉の話』(萩尾望都 / 河出書房新社)三宅花帆の今月の一冊 365 book days
文=三宅花帆
https://www.365bookdays.jp/posts/5096

2021.7.7
文=柚木麻子
「一度きりの大泉の話」(VERYママ書店)
『VERY』2021年8月号

2021.7.14
漫画家・萩尾望都がいま告白する、自身の"人間関係失敗談"としてのある「地雷」とは? Pen Online)
文=一ノ瀬 伸
https://www.pen-online.jp/article/008380.html

2021.7.23
萩尾望都「少年愛には関心はなかった」 竹宮惠子との「絶縁」の真相
『週刊朝日』2021年7月23日号
文=小谷野 敦
https://dot.asahi.com/wa/2021071500059.html
※だから「風と木の詩」は読んでないっていうのに、どうしてアンチテーゼの作品が描けるんだろう?ハナから本書の内容を信用していないという不思議な書評。

2021.7.24
2021年上半期読書アンケート
文=泉ゆたか(小説家)
『図書新聞』2021年7月24日号

2021.7.25
人の、そして漫画家の業とは
文=幅允孝
『飛ぶ教室』第66号(2021年夏7月25日発行)

2021.7(→日付なしです。7月初旬にはあがっていたと思われます)
新潟国際情報大学図書館 学生に薦める本 2021年版「一度きりの大泉の話」「少年の名はジルベール」
文=越智敏夫
https://cc.nuis.ac.jp/library/resource/book.html/2021/2103.html

2021.8.17
萩尾望都著「一度きりの大泉の話」カレー沢薫「きみにかわれるまえに」 (日刊ゲンダイDIGITAL)
文=山田昌弘(中央大学教授・作家)
https://nikkan-gendai.com/articles/view/book/293379

2021.8.20
若き日の天才の孤独と繊細さが迫る「一度だけの大泉の話」(書評現代 エッセイ・ノンフィクション)
文=内藤麻里子
『小説現代』2021年9月号 p495
講談社 2021.9.1(8.20発売)


2021.05.30 13:15 | その他

「ポーの一族」記念フレーム切手セットが発売になります。

記念フレーム切手2019年12月4日「ポーの一族」記念フレーム切手セットが郵便局から発売になります。これは萩尾望都先生のデビュー50周年を記念して発売されるもので、「ポーの一族」に焦点をあてた記念フレーム切手セットです。
○内容:
84円切手5枚のシート×1
特製切手ホルダー×1
便箋セット(便箋10、封筒5、封緘シール5)×1
○価格:3,900円
○購入方法:
・郵便局でカタログ販売の申込書を受け取って記入して申し込む
・ウェブからも購入できます。郵便局のネットショップ 『ポーの一族』フレーム切手セット
・郵便局のショッピング専用のスマホアプリ

第1弾は2019年12月4日~2020年1月6日まで。発送は2月15日~1週間以内。
第2弾は2020年1月7日~2月7日まで。発送は3月19日~1週間以内。

自分へのお年玉ですね。

2019.11.30 15:04 | その他

吾妻ひでお先生がお亡くなりになりました。

奇想天外臨時増刊号 吾妻ひでお大全集2019年10月13日に吾妻ひでお先生がお亡くなりになられたことが10月21日に発表されました。吾妻先生は萩尾望都先生と縁の深い方でした。

お二人は学年は同じですが、生年は吾妻先生の方が一つ下になります。デビューも1969年で同年です。お二人の出会いは「1970年代中頃、大泉学園で飲んだ」だそうです。当時萩尾先生はお酒が無茶苦茶強かったとのこと(今は嗜まれません)。

1985年「愛のコスモ・アミタイツ・ゾーン」を共作され『奇想天外臨時増刊号 吾妻ひでお大全集』に発表しました。この共作は奇想天外の編集者の発案で、お二人で一緒に1ページずつ描いたのだそうです。萩尾先生はその前に対談が入っていてガンガン飲んだ後に描かれたと(この作品は先月に刊行された「不条理日記 完全版」にも収録されています)。

コミックリュウその前に2007年に萩尾先生が本SF大賞を受賞された時に特集された『コミックリュウ』にも収録されました。この『コミックリュウ』日本SF大賞受賞記念特集には萩尾先生と吾妻先生の対談が載っています。「愛のコスモ・アミタイツ・ゾーン」を描かれた時のお話も入っています。
「コミックリュウ 日本SF大賞受賞記念特集 萩尾望都」

そして、2011年「愛のネリマ・サルマタケ・ゾーン」を「文藝別冊 吾妻ひでお」にて再び共作されます。現在品切れですが、11/19に入荷される模様です。amazon


2014年に刊行された「愛するあなた 恋するわたし―萩尾望都対談集2000年代編」の冒頭に先の『コミックリュウ』で行われた吾妻先生との対談が掲載されました。


この対談集の刊行を記念して、青山ブックセンターでお二人のトークイベントが行われました。それがこちらです。
「萩尾望都×吾妻ひでおトークイベント・レポート」

吾妻先生と萩尾先生はお二人ともSFが大好きで、SFから多くのものを吸収して作品を発表されました。私も「不条理日記」「失踪日記」「アル中病棟」などたくさん吾妻先生の作品が好きでした。ご冥福をお祈り申し上げます。

2019.10.21 19:23 | その他

「ポーの一族」ぬり絵BOOKが発売されます

『ポーの一族』ぬり絵BOOK2019年12月4日に「ポーの一族」ぬり絵BOOKが発売されます。「ポーの一族展」大阪会場のオープン日に合わせたのでしょう。

『ポーの一族』から選りすぐりの図版24点をセレクトしぬり絵仕様にしたもの。カラーイラストがあるものは、カラーの見本も掲載。ガリ無し無線とじで、1枚1枚離せる製本を採用、彩色したものを切り離して飾れるようになっています。

小学館

萩尾先生の塗り絵本と言えば、セイカから2010年に2冊出てるんですよね。「永遠の少女マンガぬりえ」。約10年ぶりと言っていい感じですね。

追補:絵の一覧です
「春の夢」扉イラスト‥『月刊フラワーズ』2016年7月号
「ユニコーン―バリー・ツイストが逃げた」‥『月刊フラワーズ』2016年5月号
「ポーの一族」本文p1‥『別冊少女コミック』1972年9月号
「春の夢」表紙イラスト‥『月刊フラワーズ』2017年3月号表紙
「ユニコーン―バリー・ツイストが逃げた」予告カット‥『月刊フラワーズ』2019年4月号
「ピカデリー7時」扉イラスト‥『別冊少女コミック』1975年8月号
「ユニコーン―ホフマンの舟歌」扉イラスト‥『月刊フラワーズ』2018年9月号
「春の夢」予告カット‥『月刊フラワーズ』2017年2月号
「エヴァンズの遺書」扉イラスト‥『別冊少女コミック』1975年2月号
「ユニコーン―カタコンペ」予告カット‥『月刊フラワーズ』2019年5月号
「春の夢」扉イラスト‥『月刊フラワーズ』2017年4月号
「ユニコーン―バリー・ツイストが逃げた」予告カット‥『月刊フラワーズ』2019年4月号
「ポーの一族」扉イラスト‥『別冊少女コミック』1972年9月号
「秘密の花園」予告イラスト‥『月刊フラワーズ』2019年7月号
「ポーの一族」本文‥『別冊少女コミック』1972年9月号
「春の夢」表紙イラスト‥『月刊フラワーズ』2016年7月号表紙
「はるかな国の花や小鳥」扉イラスト‥『週刊少女コミック』1975年35号
「春の夢」予告カット‥『月刊フラワーズ』2016年6月号
「クリスマスカード・エドガー」‥『週刊少女コミック』1975年51号付録
「ユニコーン」表紙イラスト‥『月刊フラワーズ』2018年7月号表紙
「ユニコーン―私に触れるな」扉イラスト‥『月刊フラワーズ』2018年7月号
「春の夢」扉イラスト‥『月刊フラワーズ』2017年6月号
夢枕獏「花歌舞伎徒然草 歌舞伎と宝塚 そして『ポーの一族』挿画‥『演劇界』2018年6月号
「春の夢」扉イラスト‥『月刊フラワーズ』2017年3月号

2019.10.13 16:04 | その他

スタジオライフの音楽劇「11人いる!」を観てきました

音楽劇11人いる!2019年6月2日(日)劇団スタジオライフ「音楽劇 11人いる!」を拝見してきました。千秋楽ですみません。いつも早めに行かなきゃと思うのですが。
2011年の「11人いる!」2013年の「続・11人いる!」も観ました。華やかでスピーディーで大がかりな舞台でよかったです。
今回、舞台装置はよりシンプルになりましたが、引き続き衣装は華やかです。11人がそれぞれ違う星、違う星系の出身者の集合で多様性社会の表現でもあるわけなのでわかりやすい。

さて、当たり前過ぎるだろうと言われるかもしれませんが「11人いる!」は本当におもしろいですよね。素晴らしいSF映画を1本観た充足感はたまりません。サスペンス仕立てで緊張感を高めながら、クスッとさせられたり、ほろっとさせられたり。緊張する→弛緩させる→盛り上がる→緩む、の繰り返し。そのリズムにすっかり乗っていくととても心地よいのです。ちょっとロマンティックな部分もあったり。こうやって生身の人が演じると、より増幅される感じがします。作品の中ではさらっとしてたところがいいタダの「ぼくと結婚しなよ」が普通のプロポーズっぽく大事になるのもまたよしですよね。

さて、今回すごく気になったのが音楽の部分。詞はもちろん脚本の倉田淳さんです。7曲ありました。うち4曲しかわかりませんでしたが、既存のヒット曲でした。

Fantasy / Earth Wind & Fire
I need to belive in love(青春の輝き) / Carpenters
Dream Polics / Cheap Trick
Don't Stop Believin' / Journey


さて、こちらはどなたの選曲なのでしょう?倉田さんご自身でしょううか?1970年代~1980年代の曲ばかりで、世代がわかります。

何故音楽劇に、というのは何となくこれをもって高校演劇界に進出するからかなぁと思いました。確かに単純に音楽を楽しむ時間ができることは緊張感を和らげて愉しい気持ちにはさせますからね。

「音楽劇 11人いる!」
公式サイト
日時:2019年5月18日(土) ~ 6月2日(日)
会場:あうるすぽっと

出演:
タダトス・レーン:関戸博一(amoチーム) / 松本慎也(pacoチーム)
フロルベリチェリ・フロル:松本慎也(amoチーム) / 伊藤清之(pacoチーム)
マヤ王バセスカ:宮崎卓真(amoチーム) / 曽世海司(pacoチーム)
ソルダム四世ドリカス:千葉健玖
アマゾン・カーナイス:牛島祥太(amoチーム) / 宮崎卓真(pacoチーム)
チャコ・カカ:高尾直裕
ドルフ・タスタ:若林健吾
トト・ニ:鈴木宏明
ヴィドメニール・ヌーム:宇佐見輝
ガニガス・ガグトス:船戸慎士
グレン・グロフ:曽世海司(amoチーム) / 藤原啓児(pacoチーム)

劇団スタジオライフ『音楽劇 11人いる!』6/2まで上演中!(演劇キック)

2019.06.02 23:21 | その他

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