2014年7月11日

萩尾望都×吾妻ひでおトークイベント・レポート

トークショーチケット「愛するあなた 恋するわたし―萩尾望都対談集2000年代編」』刊行記念
萩尾望都 トークイベント ゲスト:吾妻ひでお
日時:2014年5月31日(土)18:00~20:00 開場 17:00~
会場:青山ブックセンター本店



●二人の出会いと好きな作品
司会:お二人の初対面はいつなんでしょうか?

萩尾:私が覚えているのは、西武線沿線の飲み屋で飲んでいたときにお会いしたような。その前に会っていたのだとは思うのですが、〔この時〕インパクトが強かったのは覚えています。

吾妻:萩尾さんガンガン飲んでました。第1回の漫画大会で会ったような、挨拶したかどうかは記憶にないんですが。そのあと、アニドゥ主催のアニメの試写会があったんですね。「ナージャ〔の大暴れ〕」

萩尾:はい。ささやななえこさんがいらした。吾妻さん、ナージャの色紙を描いていたんですね。

吾妻:そうです。描いていました。みなさん描いていましたけどね。その後、大泉で昼からおいしい、不思議な日本酒を飲みました。白ワイン味の日本酒です。すごいんですよ、萩尾さんの飲み方は。

萩尾:あのときは、まだ飲んでいた頃だから。

吾妻:ぼくもやめていますけどね(笑)。

司会:お互いの初対面時の印象はどんな感じだったのでしょうか?

吾妻:落ち着いて、おとなしい人だなと思ったんですが、「ナージャ」の試写会のときにサンドイッチが出たんですね。それを萩尾さんがナプキンにくるんで、もってかえられて。すごい物を大切にする人だなと。すごくいい印象でした。

萩尾:私は吾妻さんがアニメのカットを描いているところを今思い出していて、これが吾妻さんだと思った、ということは作品を読んでいたと思うんですけども。

司会:お互いの作品を読んだのは、初対面の先でしたか、それとも後でしたか?

萩尾:前だったと思います。

吾妻:読んでいたと思いますけどね。

司会:作品と本人にギャップって感じましたか?

吾妻:僕は別に...。

萩尾:私も別に...。

吾妻:その頃はそんな、酒も飲んでなかった。その後ですね、段々朝から飲むようになったのは。

司会:お互いの作品で一番最初に読んだ作品を覚えてらっしゃいますか?

萩尾:えーと、すみません。覚えてないです。

11月のギムナジウム吾妻:僕は多分「11月のギムナジウム」だったと思います。

萩尾:すみません、ここにあります(萩尾先生の方のテーブルに本があったため、萩尾先生が吾妻先生にお渡しする)。

吾妻:萩尾さんのファンの人がいろいろ切り抜きをもっていて、それで貸してもらって読んだのかな。素晴らしかった。


司会:今の時点でお互いの作品で一番好きな作品をあげてください。

不条理日記失踪日記
萩尾:ずっと「不条理日記」が好きだったのですが、アル中の「失踪日記」が出て、あれはなかなか描けるものじゃないなと。素晴らしいですね。

司会:「不条理日記」のどのあたりが好きだったのでしょうか?

萩尾:どこもおもしろいけど、これは「SF作家がSFとともに壊れていく」という内容の話で。いえ、そういう話じゃないんですが、私はそう解釈したんですね。SFの小ネタがいっぱい出てくるんです。それがすごく小粋に効いてて、うわっセンスのいい人だなと思いました。

吾妻:これを褒めてもらえるのは嬉しいです。ずっと萩尾さんに負けていた気がするので、これでちょっと盛り返した。

司会:吾妻さんは萩尾さんの作品で好きなものは?

ゴールデンライラックp113
吾妻:ぼくはもうだいたい好きなんですけど、「ポー」とかも。今回は「ゴールデンライラック」をあげさせてもらいました。これは泣ける話で。115ページ、主人公が夫ハーバードに謝るんですが、「あなたを一番愛していたわけじゃないのに結婚したわ」「そんなことはいいんだ、わたしのほうは一番愛してたんだから」。この台詞、私も言ってみたい。実に大人な台詞だなと感動しました。

萩尾さんのマンガは泣けるなぁ萩尾:「一番好きじゃなかったけど、あなたと結婚した。」「いいんだ、私の方は一番好きだったから結婚した。」こうやって言うといい台詞ですね。

吾妻:素晴らしい台詞です。萩尾さんの「訪問者」とかも好きで、なんでこんなに泣けるのかと泣いたあとスッキリしましたね。



●漫画家になりたいと思ったのはいつ?

司会:いつ頃漫画家になりたいと思いましたか?萩尾さんは1965年高校2年生のときに手塚治虫の「新選組」を読んで、吾妻さんも手塚治虫の「ロック冒険記」、石ノ森章太郎さんの「マンガ家入門」を読んで、と聞いていますけれども。

ロック冒険記吾妻:「ロック冒険記」は本格的なSF漫画のようです。発表年代と僕が読んだ年代は相当ずれていると思います。お話は地球と同じような星が太陽の反対側にあり、そこへロックと友だちが来て、超人と交流したりして、戦争を止める話なんですけど、主人公が死んじゃうという非常に悲劇的な話ですけれども。これが手塚さん一流の人間に対する風刺的な漫画ですね。ちょっとカレル・チャペックの山椒魚戦争が入ってます。

マンガ家入門吾妻:「マンガ家入門」は石ノ森さんがいかに漫画が素晴らしいものか、他のどんなジャンルにも負けない表現だということを純朴な少年少女に洗脳していく本です。この本を読んで漫画家になろうとして、道を誤った人が多数います。そういう漫画少年・少女を洗脳した人に永島慎二さんという人がいて。「漫画家残酷物語」を描いた人です。あとその当時発生した劇画というジャンルも、やはりすごい僕たちの世代では漫画少年・少女をたくさん生みだしたものです。特に「漫画家残酷物語」は危険な本ですので注意して下さい。

新選組萩尾:「新選組」を読んで漫画家になろうと思いました。それまでは友だちの同人誌に入れてもらったりして、漫画の描き方を教わっていたんですが、石ノ森先生の「マンガ家入門」を読んだ後に、これはとても大変な仕事だ、プロになるのは絶対に無理だわ、と思って、逆にちょっと引いたんです。そしたら「新選組」を読んでショックを受けて、「新選組」のことが頭から全然離れなくなってしまって、これはダメだ、こんなショックを受けたんだから、私も誰かにショックを与えないと、と思って漫画家になってみようと。不思議なもので、なろうと思ったときにはもうなれると信じているんですね。あとはどうやってなればいいか。それで投稿しようと思って、投稿原稿をそこから描き始めたんです。それまではずっと同人誌を描いてばかりいたんですが。
「新選組」は人に説明するときに自分で〔作品には〕ない台詞をつくって説明したんです。「新選組」は何度も読んでいるのですが、今でも自分の頭の中の文字が透けて見えます。

司会:吾妻さん、「新選組」を読んだことありますか

吾妻:読みましたけど、そこまで妄想しきれなかったんです。

萩尾:読んだ時期もあったんじゃないかと思いますね。

吾妻:そうですね、出会いっていうのはありますね。

司会:萩尾さんは手塚治虫の「ロック冒険記」、石ノ森章太郎「マンガ家入門」は読んでいましたか?

萩尾:石ノ森さんのは知ってましたけど、手塚さんのは知りませんでした。「ロック冒険記」今見るとこのすらーっとした八頭身美少年。当時珍しかったネクタイをしていた。手塚さんの作品って、ネクタイをしている少年って多いんですよね。かわいらしい、ハンチング帽をかぶって。それだけでオシャレって感じでしたね。

吾妻:僕もこのスタイルが大好きで、このスタイルで女の子を描くんです。「ロック冒険記」は一人称視点っていうのがあったんです。主人公ロックの視線で敵を追い詰めるんですよ。すごい実験的なことをしている。

龍神沼萩尾:映画的なことを。〔石ノ森さんの〕「龍神沼」の最初のページがあったけど、すごくきれいな画面ですよね。後ろ姿で顔がわからないけど、重心がぶれない姿勢でまっすぐ道を歩いている、長い足のこのカッコよさ。そういうのに憧れるわけですよ。

吾妻:僕はその田舎のかわいい女の子が好きです。「龍神沼」の神様が嫉妬する。石森さんは「マンガ家入門」でもそうなんですけど、結構自分で自分を褒めるくせがあるんです。それは悪いって言ってるんじゃなくて、そういう自己愛って物書きには大切なんです。僕は石森さん大好きでした。石森さん、手塚さんで育ったようなものです。僕はこれ「マンガ家入門」に影響を受けて、漫画を描き始めました。

萩尾:それまでは描いてなかった?

吾妻:カットみたいなものを。009の模写とか。

萩尾:最初に描いたその漫画はどんな話ですか?

吾妻:エイリアンが地球に侵略する話です。前半の8ページしか書いてないですけど。

萩尾:後半の8ページはどうしました?

吾妻:もうそこは考えてなかったです。僕が入っていた同人の会に送ってました。萩尾さんも描いていた?

萩尾:九州の方で肉筆回覧誌に入っていました。『COM』とか売りに出されて、全国に同人誌の支店みたいなものが出来て、漫画家のグループがいろんなところに固まっていた時代でしたね。



●『COM』の話
司会:今『COM』の話が出ましたが、お二人とも『COM』を読んでおられました。『COM』とはどういう雑誌だったのか。その印象とか思い入れとかを話していただきたいのですけれど。

『COM』創刊号萩尾:私が高校2年生の終わりに創刊されたと思うんですけれど、今では本当にいろいろな種類の雑誌がありますけれど、当時は漫画は基本的に子供のもので、読者対象が中学生・高校生ぐらいで止まっていたんです。それか、いきなりおじさんたちのエロ漫画に行っちゃったんですね。中間のグループが全然なくて、漫画は卒業するものという感じでみんな手にしていました。もちろん白土三平さんのとかもあったんですが、そこに『COM』という雑誌が出て、「漫画を卒業しなくていい漫画雑誌」が出来た、と思ったんです。創刊号から買いました。手塚先生の表紙だし、手塚先生好きだし、石ノ森先生が「ジュン」描いてるし。毎号新しい試みをしていて、ワクワクしながら読みました。

吾妻:僕も熱中して読んでいましたね。手塚さん、石ノ森さん、永嶋慎二さん、みなさん実験的な漫画を描いていて、それも素晴らしいのですが、やっぱり「ぐらこん」があったこと。これほど新人を発掘した雑誌はないというくらい、すごい人たちが投稿していました。あだち充とか、僕の尊敬する宮谷一彦さん、青柳裕介、長谷川法世、河あきら、樹村みのり、岡田史子。みんな上手なんで、すごいなと。ぐらこん支部というのが各県にあって、北海道支部の会長の川端っていうのが、コボタンで宮谷一彦に喧嘩ふっかけて、殴られたんです。

萩尾:どうしてそんなことを?コボタンっていうのは新宿にあった漫画喫茶店?今でいう漫画喫茶ではなく、単に漫画の本がおいてある喫茶店なんだけども、原画が飾ってあったりして、すごい人の原画だとか感動しながら帰って来た覚えがある。そこで喧嘩を?

吾妻:宮谷さんの喧嘩は筋金入りですからね。川端なんて一発でやられちゃう。

萩尾:なんて言って怒らせたのか知りたいですね。

吾妻:宮谷さんのことを?原画展に行って「こんなもんたいしたことない」とか言ったんじゃないですか?

萩尾:それは失礼な。

吾妻:宮谷さんがいらっしゃったらしくて、一発でのしたと。僕は今でも宮谷さん尊敬していますけども、今は休筆なさってるんですね。

萩尾:長い休筆ですね。描いては休筆、描いては休筆。

ポーチで少女が小犬と吾妻:これを見たら萩尾さん、いらっしゃるんですが、いつ頃でしょう?

萩尾:いつでしょう?1971年って書いてありますね。「ポーチで少女が小犬と」を描いたんじゃないかな?

司会:(萩尾さんに)『COM』に一度投稿されたけれど、落選したとのことですが、どんな作品でしたか?

萩尾望都「星とイモムシ」萩尾:それはSFだった記憶はあるのだけど。どんなSFだったかというと、ある男性が理想の女性に巡り会って、結婚の約束をしたら、それは宇宙人で実はタコだったという話です。
(※この「星とイモムシ」は投稿して落選した作品ではない。「星とイモムシ」というお題で募集した際に描いたものだが、締め切りに間に合わず、投稿できなかった)

吾妻:「ポーチで少女が小犬と」という作品は"悪い意味でなく、SFマニアの悪いところが出ている"。説明しない、SFファンのありがちな。その後の作品ではちゃんと説明するようになってる。

司会:(吾妻さんに)『COM』を全号もってらっしゃるほどなのに、投稿されなかったそうです。何故なんでしょうか?

吾妻ひでお「こうしてわたしはまんが家した」(初出:『ざ・色っぷる』1980年)吾妻:僕は人に批評されるのがイヤなんです。

萩尾:これはすごいイメージ・シーンですね。ネズミがくるくるって回すやつみたい。三つぐらいずれているということは、これが時間軸ですよね。

司会:(吾妻さんに)「ぐらこん」で大和和紀先生や忠津陽子先生ともお知り合いになったそうですが、お二人の当時の印象はどんな感じでしたか?

吾妻:僕がぐらこんに入ったのは高3のときで、同級生で今も漫画を描いている松久由宇っていう奴がいたんですが、そいつに大和さんや忠津さんを紹介していただいたんですが、そのとき札幌まで行ったのかな?大和さんは僕らより二つくらい上なんで、落ち着いていて、その頃もうプロだったのかもしれない。忠津陽子さんとかもいて、カットとか見せてもらったんで、一枚欲しいと言ったら、ダメですと言われました。そういう思い出があります。お二人とも素晴らしいペンタッチで、とにかく絵が上手でしたね。

吾妻ひでおが大和・忠津を訪ねるシーン
「地を這う魚」(吾妻ひでお)2009.3.5

萩尾:上手ですよね。60年代少女漫画の原型というのは、手塚先生が描いた少女漫画とかから始まっているのですが、70年代後期の少女漫画の原型は、大和さん、忠津さんから来ているんじゃないかと思います。お二人とも女の子がかわいかったですよね。当時漫画評論もいろいろあったんですが、女の子が「かわいい」と書かれているものが一つもなくて、男ってこのかわいさがわからないのかと思いながら、評論を読んでいました。

司会:『COM』で作品を発表していた岡田史子先生について、萩尾さんも吾妻さんも衝撃とおっしゃっていますが、その当たりをちょっと詳しくお話いただきたいです。

吾妻:僕が本当に岡田史子さん作品のすごさがわかってきたのは30歳くらいになってからで、出た当初は変わった漫画だなというくらいしかなかったんです。やっぱり歳とってくると、天才だというのがわかりますね。天才神話はわずかな期間、1年か2年くらいしか続かなかったので、余計思い出に残っています。

萩尾:一般の漫画の芸術は劇画も含めて、良くも悪くも手塚先生の系列から始まった日本の漫画っていうカテゴリにきれいに収まるものなんです。例えば、明治時代にみんなが着物を着ている状態で、そこに岡田さんがいきなりやってきて、フランス系ロングドレスを着て、突然降臨しました。それぐらい不思議なものが現れたという感じでした。
これがイラストであるとか、画家の絵であるなら話はわかるのですが、漫画なんです。イラストではなく漫画なのか、イラストで漫画が描けるのか、とショックでした。でもイラストレイターだって、もちろん漫画を描いてるし、そういう人が描いた漫画を読んだことがあるのですが、不思議なことに、イラストレイターの絵っていうのはやっぱり1枚1枚のカットがイラストだから、1枚ずつ見つめてしまうんですね。目線が流れていかないんです。すごい際どいバランスでちゃんと目線が流れるんです。イラストチックなのに。コマからコマへ移る目線の流れっていうのは漫画において本当に重要で、岡田さんは岡田流目線の流れっていうのをきちんと作って、流している。本当にラーメン屋でチーズケーキを食べるような、そのくらい違和感があって素敵な世界を見せてもらいました。もっとちゃんと説明出来ないかな(笑)

岡田史子「ガラス玉」(「ガラス玉」岡田史子)←この最後のシーンなんか素晴らしいでしょう?旅に出た彼氏と、送り出してそっと待っている女の子。旅に出た男の子の周辺にある、このボスみたいなシュールレアリズム系の風景、これが漫画で描けるなんて。



11月のギムナジウム司会:(吾妻さんに)萩尾さんの「11月のギムナジウム」のおもしろかったところを教えて下さい。

吾妻:これの前の「雪の子」という作品あたりから、萩尾さんの作品がちょっと変わってきて、これは複雑なプロットで、見事に構成していて、伏線がちゃんと貼ってあるし、二人の少年の運命の悲劇を描いた本当に素晴らしい傑作なんですけど、これを果たして『少女コミック』の読者がわかったかのかというのは、非常に疑問。編集者もすごい気合いが入った人だなと思いましたけども。このページ数でこれだけの話をかけるなんて、本当に才能のある人だなと思いました。

萩尾:ありがとうございます。最初に編集部には「40枚であげます」ということで、ページをくれたのですが、ネームやっているうちにどうしても入らないと思って、どのエピソードを削ろうかとうんうんうなっていたら、急に5枚分余りページが出たんですけど、と言われて、喜んでもらいました。それで45枚になった。

吾妻:僕はこの作品はそれれまでの恋愛ものとかいう、少女漫画の範囲には入らないと思うのですが。萩尾さんの絵で美少年が出てくるから、読者の方は〔この頃はもう萩尾さんには男性読者がいっぱいいましたけど〕絵のかわいらしさで読めるんだと思うんですけれど、このストーリーの重さっていうのは、どういう発想なんですか?悲劇ですよね。

萩尾:これは私、ヘッセにこけていたから。あと西洋のいろんな映画とかが好きだったものだから、映画みたいなドラマチックなものとか、何かこうあったんでしょうね。それでトーマとかエーリクとかオスカーとか「トーマの心臓」と同じキャラクターが出てくるので、これが終わった後に「トーマの心臓」を考えたのねって言われるんですけれど、逆で、「トーマの心臓」をずっと鉛筆で描いているときに、サイドストーリーとして「これ、双子だったらおもしろいな」とふと思って、「11月のギムナジウム」は出来たんです。思いついていろいろ描いてる作品があったのですが、「トーマの心臓」はその一つだったんですね。それは発表するあてとか全然なかったんですけれども、短篇だからいいだろうと思って、これは描かせてもらいました。

ポーの一族司会:(吾妻さんに)「ポーの一族」を読まれた時期はいつ頃でしたか?

吾妻:これは、始まったときから読んでいたんですけれど、そのだいぶ前に東京の青柳さんという人がやってる、個人誌(肉筆回覧誌)にメリーベルのイラストと簡単なストーリーが描いてあったんです。そのときはわからなかったんですが、そのだいぶ後に「ポーの一族」が始まったんで、発想は2~3年前なのかな。萩尾さん、覚えてます?

萩尾:「ポーの一族」を始めるちょっと前に「ポー」関係のストーリー案というのを描かせてもらったんですね。その1年ちょっと前くらいにアイディアが出来て、編集部に「長編で描きたいものがあるんですけど」と言ったら、「あんたまだ長いものは描いたことがないから早すぎる」と却下されて、青柳さんのカットはそこら辺で描いたんじゃないかと思います。「メリーベルと銀のばら」「ポーの村」「グレンスミスの日記」などサイドストーリーを描いていたんですね。さすがに編集部にバレて、「あんた、これ同じ話だね」と。「じゃあ一回プロットもってらっしゃい」と言って、ページをもらいました。なせばなる。

吾妻:いい話だ。

吸血鬼ちゃん司会:(吾妻さんに)1973年春の作品「吸血鬼ちゃん」は「ポーの一族」と関係がありますか?

吾妻:さっき出た青柳さんという人の同人誌に載せた「吸パイ鬼」という作品を描いていた。「吸血鬼ちゃん」はその流れで少年誌に描いたんで、まったく関係がないということはないです。(※注「吸パイ鬼」のサブタイトルは「おろかな一族によせて」ですからね...)
萩尾:この「吸血鬼ちゃん」はお名前はなんていうんですか?

吾妻:名前はないです。



●二人の合作

愛のコスモ・アミタイツゾーン司会:お二人の合作についてお聞きします。お二人は1981年発行の「奇想天外」臨時増刊号で合作漫画「愛のコスモ・アミタイツ・ゾーン」を発表されています。萩尾さん、こちらの合作漫画の成立のいきさつなどを教えて下さい。

萩尾:なんか編集が何か言ったんじゃなかったでしたっけ?

奇想天外臨時増刊号 吾妻ひでお大全集吾妻:奇想天外社の、全然喋らない編集者の小口さんが「吾妻ひでお大全集」(1981年5月)のときに萩尾さんにお願いしたんですね。合作したときは、萩尾さんはこの前にもう一つ仕事があったんですよ。対談の仕事が(※注:同年4月の「別冊奇想天外」レイ・ブラッドベリ大全集での対談と思われます)。

萩尾:そうでした。描く前に飲んでいたような気がする。

吾妻:飲んでました。しこたま飲んでた。

司会:これはお酒を飲んだ後に描かれたということですね。何時間くらいかかったのでしょうか?

萩尾:お酒を飲んだ後だから10時間くらい?

吾妻:そんなかかってないですよ。6時間くらい。確か、飯田耕一郎さんがベタを塗ってくれて。

司会:飯田さんが所有されている色紙をお借りしました。今日も会場にいらっしゃるそうです。

萩尾:お世話になりました(笑)。

文藝別冊総特集 吾妻ひでお愛のネリマ・サルマタケ・ゾーン司会:それから30年後になるんですけど、2011年発売の「文藝別冊総特集 吾妻ひでお」でお二人は二度目の合作をされます。タイトルは「愛のネリマ・サルマタケ・ゾーン」。合作が決行されたのは2011年3月21日なんです。私がこの本を編集したので立ち会ったのですが、ちょうど東日本大震災が3月11日に起こったので、その10日後でした。吾妻先生のご自宅で行われました。

萩尾:雨が降っていたんですよね。福島第一原発が次々爆発した後だったので、雨が降ってきたら放射能だと思って、完全防備して出かけたんです。バッグも全部ビニールをかぶせて、画材を入れたキャリーカーも全部ビニールをかぶせて、それでやってきました。

吾妻:まさか本当に来るとは思わなかった(笑)。話はお互いに自分の世界にもっていこうとして、意味不明な作品になりましたが。萩尾さんとにかく早いですよ。結局4時間くらいでしたね。消しゴムとベタは穴沢さんがやってくれて、最後のスクリーントーンはこういう下々の仕事は私がやりますからと言ったんですが、萩尾さんが。

司会:スクリーントーンは萩尾さんが貼ってらっしゃいましたね。

萩尾:私スクリーントーン早いんです。このときすごく複雑な背景にスクリーントーンを貼ることになって、吾妻さんからなんか言われたんですよね。

吾妻:そんなとこに貼らなくてもいいんじゃないですか?(笑)

萩尾:そうなんです。貼り始めてそう思いました。

司会:お二人でネームを描いてらっしゃるときに、ネーム上口論になっていて、吾妻さんが最後「オチ、萩尾さんお願い」って言ってましたね。お二人の仲の良さがとてもよくわかりました。



●SFの話は尽きない(その1)
司会:ちょっと話題を変えます。SFについて、お話して下さい。お二人は幼い頃からSFが大好きな少年・少女だったと思います。SFとの出会いについてお聞かせ下さい。

萩尾:今回の対談のために、吾妻さんに好きな本を2~3冊選んで、どうしてこの本が好きかというSFの本を紹介するというのはどうですか?と言ったら、吾妻さんからじゃあそのネタにと言って、このデータをいただいたんです。全部吾妻さんの手書きで、過去に自分が読んだ本のリストがだーっと書いてあるんです。感想もちょこちょこ書いてあったりします。すごい貴重なものを、ありがとうございます。私がちょっと口をすべらしたばっかりに。「萩尾さんにオススメのSF本は」ってすごいんですよ。「クチュクチュバーン」(吉村萬壱)、「粘膜人間」(飴村行)、「やみなべの陰謀」(田中哲弥)とあります。読んでみます。

司会:萩尾さんのSFとの出会いというのは?

惑星SOS萩尾:小学校の頃からずっと読んでいたのですが、アジモフのSFを読んでから、一気にはまっちゃったんですね。小学校の頃「鉄腕アトム」なんか読んじゃうともうSF好きになってしまうんですよ。そういうものだと思っていたら、アジモフの「惑星SOS」、後に「宇宙気流」という名前でちゃんと本になりましたが、そのときは『中学3年コース』の付録でした。この薄い本が本当におもしろくて、そこからはまって頭の中がSFでいっぱいになりました。それから積極的に「SF」と名乗っているところにふらふらと寄っていくことになりました。
地球が昔爆発してなくなってしまっていて、みんな脱出して宇宙全体に広がった。その時に地球という星をみんなが覚えていないということにものすごくショックを受けてしまって、「鉄腕アトム」でも「009」でもちゃんと地球は出てくる。地球が出てこない、未来の文明というのがあるんだ、と。それでちょっとはまっちゃって。価値がまったく新しいものに転換してくるというショックとおもしろさがありました。

銀河帝国興亡史 1 ファウンデーション吾妻:これがアシモフの「銀河帝国興亡史」三部作につながっていくんですね。僕もアシモフが好きで、「銀河帝国興亡史」ではまったくちですけれど、帝国の興亡が精神社会学者(心理歴史学者?)の博士がある時期が来ると預言する。

萩尾:未来はこんなふうになるだろう、と科学の力で予知しちゃうんですよね。

吾妻:1回目と2回目、セルダン預言はあたる。3回目、4回目は誰も聞きに来なかった。5回目に聞きに行ったら、予想は大外れ。何故かというとミュータントの皇帝があらわれたから。

萩尾:予想しなかった因子が入り込んでしまい、セルダンの予想した未来を変えてしまった。

吾妻:その後、ミュータントの王が死んで、第一ファウンデーションが勢力を取り戻して、第二ファウンデーションも実はあるという話なんだけど、その後のオチを僕、覚えていないんですけど。

萩尾:私もその辺の記憶があいまいです。

吾妻:いや、とにかく、むちゃくちゃおもしろかった。僕はその他、ブラウンとかシェクリイとか、ハインラインもはまって。萩尾さん、ハインラインはどうですか?

萩尾:好きです。善悪のスタイルがものすごくはっきりしている向きがあって、えっと思うときもあるんですけど。つまり敵は必ず醜かったり、悪どいことをしたり。敵にも情けをかけるというのは「鉄腕アトム」で読んだから、いいやと(笑)。ハインラインはすごくドラマ構築がうまくて、かなり読みました。

ダブルスター~太陽系帝国の危機吾妻:僕は「ダブルスター~太陽系帝国の危機」を読んで。主人公が売れない役者なんです。有名政治家の替え玉役をやらされて、火星に行くんです。売れない役者のくせにプライドだけは高くて。火星人の匂いに耐えられないと言う。そこで医者が催眠術で香水の匂いがするようにすると、火星人の匂いが気にならなくなるとか。

人形つかい萩尾:初期の短篇ですけど、「人形つかい」。これがすごいショックで。いつの間にか宇宙人から地球人が侵略されている。ヒルか大型のなめくじみたいなものが背中へばりついてコントロールしてしまうんです。コントロールされた人間は人形のようになってしまって、もう言いなりになってしまうという怖い話なんですけどね。

吾妻:この辺は後半で喋らなきゃならないんです。僕が喋ってしまったんですね。

司会:お二人のSFの好みの共通点っていうのはどのあたりにあると思いますか?

萩尾:この間、対談の前に「吾妻さんもSFが好きだから、SFの話をしたらおもしろいかしら?」と言ったら、吾妻さんが「SFファンだという人とSFの話はしたくない。」と言われて、私も「ハッ」と思いあたることがあったんです。というのも、これまで「あなたもSF好きなの?私もです。」と言って話し始めて、いい思いしたことがない(大爆笑)。

吾妻:どんな感じになるんです?

萩尾:私が「フィリップ・K. ディックが好きで」というと、「え、どこがおもしろいの?」と言われてしまう。

吾妻:ディックは僕は最近、すごく歳をとってからわかりましたよ。萩尾さんは20代の頃からファンですけど。あれは相当人生経験を積んでないとわからないですよ。

萩尾:あれはあの暗さがいいんですよ。

吾妻:これは後で話しましょう。

司会:(吾妻さんに)萩尾さんの「11人いる!」を読んだときに、「負けたと思った。SFでこんな傑作を書かれたのが悔しかった。」と思われたそうですが、「11人いる!」の素晴らしいところを是非お話して下さい。

11人いる!吾妻:これは本当に名作で、漫画でこういう本格的SFは萩尾さんの「11人いる!」だと思うんですが。この作品はSFファンが泣いて喜ぶツボを心得ているんですね。まず、初っぱなに「テラ概略史」っていうのが出てくるんですけど、SFファンは未来史とか興亡史とか年表が好きなんです。作家も年表通りに作品を書く人もいますし、ファンが勝手に年表を作る場合もあるんです。だからこの概略史が出てきたとたんに、これはもう傑作という。ストーリーはSFミステリー的な「11人いる、一人多い」という謎で全体の話を引っ張っていくんですが、その間にSFファン泣かせの小ネタがチラチラ出てくる。テラの画家の宇宙の守護神は何故弓に何もつがえていないのかとか、電動ヅタ、フロルとヌーの両性体(両性種)、ヌーの星の二つの恒星をめぐる惑星、一生に一度の冬、一度の夏という構想の大きさ。主人公の白号という船にまつわる悲劇。とにかく傑作で、当時のSFファンが会合などで集まると、すぐ「11人いる!」とか言う。2~3人しかいないのに。SFファンを全員魅了した傑作です。

萩尾:どうもありがとうございます。あのときは夏の暑さといろいろでバテて、絵にかける時間はなかったので、絵がとっても荒れちゃって、ひたすら申し訳ありませんという感じで描いていたんですね。最後は松本零士先生のアシスタントさんにお手伝いに来ていただいたんです。いきなり船が宇宙戦艦ヤマトになってて(笑)。そういう思い出があります。

あそび玉"司会:「11人いる!」の前に発表されていた萩尾さんのSFの短篇で、「精霊狩り」「あそび玉」などがありますが、萩尾さんのSF作品について、吾妻さんの感想をお聞きしたいです。

吾妻:「あそび玉」はSFファンが大好きな"超能力者が迫害される"というテーマです。未来のお話ですが、構成がうまい素晴らしい傑作です。「精霊狩り」は途中でミュージカル風のダンスをしながらシーンが進んだりするのが、おもしろい。

萩尾:急にダンスが始まるのは「サウンド・オブ・ミュージック」とか「ウェストサイド・ストーリー」とか、当時ミュージカル映画がすごい好きで、キャラクターに歌いながらダンスにさせたんですね。おもしろいかなと思って。「あそび玉」の方は超能力者が迫害されるという...

スラン吾妻:ヴァン・ヴォクト?

萩尾:いや、その頃はまだ「スラン」は読んでいなかったんですよ。ジョン・ウインダムの「ソンブレロ」という短篇を読んでいたんです。だんだん超能力を現してくる女の子を親が怖がる。似たような子供がどこかに行ってしまい、帰ってこない。お母さんが「この子もいつかどこかへ行ってしまい、帰ってこなくなるのかしら?」と。すごく寂しい短篇だったんですね。迫害されちゃうんだと、いろいろ考えて描いたのが「あそび玉」です。この作品を描いたら、知り合いのSFファンの人が、ヴォクトの「スラン」を読んだ?と言われた。

吾妻:僕は「新しい人類 スラン」という古い本で読みました。

萩尾:昔のSFにはよく前後のタイトルがくっついているんですよね。「幼年期の終わり」には「地球」がついて「地球幼年期の終わり」とか。

吾妻:「あそび玉」萩尾さんが初めて描いたSFですかね?

萩尾:はい。シリアスなものでは初めてです。

吾妻:最初からあれだけのものが描けるというんで。傑作です。

百億千億司会:萩尾さんが「百億の昼と千億の夜」を『チャンピオン』に連載していたのは、1977年~1978年になります。その頃ちょうど吾妻さんも「チョッキン」を連載中。当時SFは描きづらかったという状況をよく聞くのですが、お聞かせ下さい。

吾妻:「百億...」はどういう経緯で『チャンピオン』に載ることになったんですか?

萩尾:本格SFみたいなものを描きたいんだけれども、少女マンガではなかなか編集からOKが出ない。少年誌だったら描けるんじゃないかと思って、『少年チャンピオン』の編集さんに紹介していただいたんです。誰に紹介していただいたのか忘れたのですが。その編集さんがたまたまSFが好きで、光瀬先生の作品とかたくさん読んでいて、光瀬先生の作品の話で盛り上がっちゃったんですね。光瀬先生の作品を描くんだったら、「百億と千億」が一番いいと私が言ったら、その担当さんが光瀬先生を(直接)知ってるものだから、話してみます、というんで。いくら言っても扉が開かないときと、ちょっと言ったら転がるように展開していくのとあって、これは転がるように展開していったんです。あっという間に決まりました。そんな訳でいきなり『チャンピオン』、いきなり光瀬龍、いきなりSFなんですよ。

吾妻:少年誌は初めてですか?

萩尾:はい。初めてだったと記憶しています。

吾妻:どうでした?

萩尾:おもしろかったです。描いてみてわかったのは、私の絵の線が細すぎる。これはダメだと、少年作家というのはやはり線太だなと思って。

吾妻:水島新司さんの線はすごいですよね(笑)。鴨川つばめさんとかいましたね。私は「チョッキン」という貯金が趣味の男を主人公にした話を描いてました。

萩尾:銀行の中でたくましく生きる話ですよね。身につまされる感じの。

吾妻:よくあの光瀬さんの話を萩尾さんが描いたなと、またそれを『チャンピオン』に載せたな、と。

萩尾:そうですね。その時の担当が阿久津さんという方だったんですけど、『チャンピオン』は今、「ドカベン」「ガキでか」で売れてるから、1本くらい売れないのがあっても(構わない)とおっしゃって(笑)。



●SFの話は尽きない(その2)

ハイペリオン司会:お二人の読書体験についてお聞きしたいと思うのですが。

萩尾:さっき喋っちゃいましたけど、吾妻さんに読書体験をたくさん書いていただき、ありがとうございました。〔吾妻さんからの読書ノートを見せながら〕この中に「ハイペリオン」のシリーズがありますが、分厚くて長いやつを吾妻さんは全部読んだんですよね。

吾妻:途中で挫折しましたけども、4冊くらい読んだかな?

萩尾:私、3冊くらいもってるんですが、1冊目の8ページ目で挫折しました。何度も再挑戦するんですけども、やはり8ページ目くらいで挫折するんですよ。どうしたらいいでしょう?ある人が「これを乗り越えたら、おもしろくなるんですよ」と言われて「何ページ目くらいからおもしろくなりますか?」と言ったら、「100枚くらいまで」と言うので「わかりました。じゃあ100枚くらいまで頑張って読んでみます」と言ったら、後で電話がかかってきて「ダメでした。全行程の10分の9くらいまで読まないとおもしろくなりません」と。そうですか?

吾妻:いや、いきなりおもしろいですけどね(笑)。きっと、萩尾さんの体質には合わなかったんですよ。ダン・シモンズってもともとホラー書いてる人なんですね。

萩尾:じゃあ「ハイペリオン」ってホラーなんですか?

吾妻:「ハイペリオン」シリーズは完全にSFですけれど、特に新しいネタがあるというわけではなくて、それまでのSFをいろいろ読んでいればわかる、総集編みたいなものです。

萩尾:じゃあもう一度挑戦してみます。

吾妻:胸の十字架の刻印がある種族が永遠の命をもっているんですが、頭脳が退化している話とか、細かい話がいっぱい入って来るんです。ダン・シモンズ、「殺戮のチェスゲーム」というのを最初に読んだんですけども、これはホラーでしたね。人の心を操って、勝手に殺し合わせるという。ホラーといえば、キングとかどうですか?

萩尾:キング、大好きですよ。

吾妻:SF書いたときだけ、キングをSFファンが評価すると言われてますが。

萩尾:どの小説読んでも本当にストーリー構成がうまい。余分なもの、無駄なものがない。特にキングはグループで人を出して、この人たちがお互いに関係しながらストーリーを展開していくのがうまいんです。人間関係のかねあいでもって、これからどうなるんだろうとドキドキハラハラするし、うまいなと思っています。

11/22/63吾妻:僕は今年出た「11/22/63」、これはケネディ暗殺の日ですが、おもしろかったですね。

萩尾:タイムスリップの話なんですけど、すごいよく考えられていて。ある正体不明な人物もしくは出来事が最後までその事件を引っ張っていくんですけど、それが完全に解決されることはないんですね。それが謎のまま残るんです。神か悪魔か超常現象か、といった感じで。だから逆に事件は片付いたんだけど、まだ何か不思議なものが残っているという感じで終わるのがすごく多い。



●吾妻→萩尾オススメ本
吾妻:萩尾さんは読んでないと思いますが、僕の推薦した吉村萬壱、飴村行、田中哲弥はどうでしょうか?

クチュクチュバーン粘膜人間猿駅/初恋

萩尾:(吉村萬壱の)「クチュクチュバーン」とか「バースト・ゾーン―爆裂地区」とか、タイトルは知ってるんですけど、オススメだから読んでみます。

吾妻:はい。すごい気持ち悪いです(爆笑が起きる)。飴村行の「粘膜人間」これはトカゲ人間ということです。超気持ち悪い(笑)。田中哲弥の「猿駅/初恋」なんですが、「猿駅」っていう駅でお母さんと待ち合わせしてるんですけど、結局駅を出たら猿ばっかりなんです。だんだん猿まみれになってきて。お爺さんが「そこに猿叩きがあるからそれで叩け」って言われたから猿の頭をバンバンと叩いて。そうしたら涎だらけ、脳みそだらけになる。その中に母親もいるような気がするな、というひどい小説です。

萩尾:ちょっとなんか筒井さんのグロみたいな。

吾妻:そうですね。筒井さんの影響は多少あると思います。

萩尾:筒井さんもすごい好きなんですけど、あんまり怖いの読めないんですよ。

吾妻:筒井さんはいいですね。

萩尾:「霊長類 南へ」とかね、読んだけど、怖かったです。

吾妻:僕は筒井さんの大ファンで、無意識にコピーとかやってますけど、これは意識的にパクるよりはいいと思ってますが(笑)。安部公房「人間そっくり」はすごくおもしろい。

萩尾:「人間そっくり」はまだ読んでないです。「第四間氷期」の方だけ。

吾妻:平井(和正)さんどうですか?

萩尾:平井さんは「SFマガジン」で連載していたんです。途中まで読んでいました。かなり暴力の描写がすごいので、だんだんと読まなくなってしまって。

吾妻:確かにそれはありますね。途中から平井さんはまた別方向に行くんですね。

萩尾:神に目覚めるんですね。

やみなべの陰謀吾妻:そうですね。わけあって詳しくは言えませんが(笑)。さっきの田中哲弥の「初恋」っていうのはこれもちょっとエロなんで人前では話せません。でもこの人はストーリー傑作ですよ。

萩尾:(田中哲弥「やみなべの陰謀」の画像を見ながら)いい扉絵ですね。



●SFの話は尽きない(その3)
エヌ氏の遊園地吾妻:多分、萩尾さんに一番遠い作家なんで。僕SF書いてたりしたんですけど、それまで世界文学とか読んでいたんで、星さんの文体に出会って、すごく新鮮だったんです。びっくりしました。

萩尾:星さんは、私は多分95%くらい読んだと思います。本の回し読みをしていました。

吾妻:星新一で僕が最初に読んだのは「エヌ氏の遊園地」。意外なオチがある。有名なところでは「おーいでてこーい」とか、名作ですね。その後ぼくはブラウン、シェクリーにはまったんですが、あと、アシモフ、ウェルズ。ウェルズはほとんどSFの基本的なところを書き尽くしていますね。ヴォークトは。

宇宙船ビーグル号萩尾:「11人いる!」なんかは「宇宙船ビーグル号」の影響をもろに受けています。宇宙船が飛ぶといろんな怪獣が現れるんですね。
「非(ナル)Aの世界」もすごくおもしろかったです。

吾妻:(ストーリーは)もう全然覚えてないけど、すごかったのは覚えてます。最後、地球になっちゃう男とか。(「ビーグル号」に出てくる)このイクストルという怪物が「エイリアン」の原型になってるんですね。ほとんど不死身のエイリアンなんですが、生物のお腹に自分の卵を植え付けるというエイリアンで、そいつと宇宙で出会ってしまうんです。最初は猫型のケアルという、かわいらしい触手の生えた猫、そういういろんな敵と戦って冒険していくんです。この主人公が総合科学者でして、すごいおもしろい‥ヴォークトも大好きでした。

夏への扉吾妻:ハインラインは僕も大好きで、最初に読んだのが「夏への扉」。これはたいがいみんなはまりますね。

萩尾:そうですね。猫が出入口を探していると、奥さんが「あの子は夏への扉を探しているのよ」って。

吾妻:いい話ですね。

萩尾:こういう、ちょっとした心をそそる会話がいいですね。

異星の客吾妻:ハインライン、そういうところがうまいですよね。人物描写とか。「異星の客」っていうこれは火星人に育てられた地球人という。これはおもしろかったです。主人公のマイケル・スミスが人間が何故笑うのかということに気付いたときの描写とかね。

萩尾:あれは本当にびっくりしました。マイケルは火星で育った地球人なのでちょっと情緒感覚の対応が地球人とずれているんですよね。笑いについて勉強するために動物園に行くんです。そうしたら、猿山があって、ある猿が自分より小さい猿をポカンと殴るんですよ。殴られた猿はひぃとか言って、また自分より小さい猿を殴るんです。それで「笑い」がわかった、というんです。びっくりしました。

吾妻:人間はウィーク(弱いもの)を笑うんだよっていうことに気付いたという話なんですよね。基本的にこれは寓話なんですよね。「ミミズ天使」っていうのがフレドリック・ブラウンにありましたけど、スミスもやっぱり天国で天使の輪をあみだにかぶるというシーンが新鮮で。そこでこの話は風刺的な寓話なんだなということが気がついたんですけど。

萩尾:そう解釈すればいいのか。あそこはいったい何なんだろう、という感じでちょっとわからなかった。

吾妻:だから、いい終わり方だなと思いました。僕はハインラインはほとんど好きですけど、「人形つかい」や「宇宙の戦士」「スターマン・ジョーンズ」が好きですね。「自由未来」「愛に時間を」「悪徳なんかこわくない」この辺でちょっとハインラインはぼけてきた。

萩尾:ハインラインもすごい精力的な作家ですよね。

吾妻:「メトセラの子ら」っていうのは長命族ですね。差別というか迫害される物語が好きですね。「人形つかい」は本当にエイリアンが寄生するという怖い話ですね。

盗まれた街萩尾:このエイリアン地球襲来ネタっていうのは、その当時のSFには結構あったんですけど、やっぱり思い出してもこの「人形つかい」はこわいですね。あと「盗まれた街」(ジャック・フィニィ)とか。人間そっくりのやつが巨大なエンドウマメから出てくるんです。この話はカプグラ症候群の症状に似ているんです。カプグラ症候群は精神病理の一つで、脳障害が起きて、お父さんとお母さんが本当のお父さんとお母さんじゃないと言い出すんです。すごく親切な人で、自分がお父さんだよ、お母さんだよと言ってくれるんですが、違うと。どこがどう違うのかわからないけど、何か自分を騙している。精神科医の人が困って「じゃあ(何故彼らは騙しているのか、それは)どう思うの?」と聞くと「多分どっかの国のスパイで僕を監視しているんじゃないか」と。それで医者は両親に「一回息子さんの妄想に付き合ってあげなさい」と言うんです。「今までのお父さんとお母さんはおまえの言った通りスパイだったんだ。私たちが本当のお父さんとお母さんだよ。」「やっぱりそうだったんだ。」と言って家に帰って、一週間もすると「やっぱり違う」と言い出すんです。この症候群の話はラマチャンドランさんの「脳のなかの幽霊」という本を読んで最近知ったんですけど、この症例を知ったときに「呪われた町」だと思いました。「おじさんがおじさんじゃない」と言って始まるんですね。こっちはSFだから宇宙人だったんですけど。

吾妻:ウィンダム?

萩尾:ウィンダムともう一人書いてる。タイトル似てるけど‥。

吾妻:「トリフィド時代」これはウィンダムだけど。「さなぎ」「呪われた村」とか。これがさっきの話かどうかわからないんだけど。確認しないと。

萩尾:そうですね。「呪われた村」と「呪われた町」があるんで。「サヤエンドウ」とかいうタイトルだったと思うんだけど。(※注「サヤエンドウ」が入っているのは、ジャック・フィニイの「盗まれた街」です。)

トリフィド時代吾妻:ウィンダムの「トリフィド時代」は「緩やかな破滅」ものとか、そういうジャンルで呼ばれているらしいですけど。そんなに宇宙人がだっと攻めて来て、すぐに終わるという話じゃなくて。これは流星雨を見た人たちが盲目になって。目を病んでた人が包帯をしていたんで流星雨を見なかった。そこで生き残った人の世界にトリフウィズという食肉植物、これが毒の鞭をもっているんですが、これがはびこるという話です。淡々と進む破滅の物語です。これは大好きで何回も読んでいるんです。

吾妻:(リストを見ながら)この辺は僕のうちの本からネタを書いていたんですが、途中で疲れちゃって。ネットで調べて、僕の読んだやつを書いたんですが。

アジアの岸辺吾妻:「降りる」(トーマス・ディッシュ)っていうのは一種の不条理小説であって、SFじゃないんですけど、延々とエスカレーターを降りていって、上りのエスカレーターないわけです。延々と下を降りていく、オチもクソもないという。

溺れた巨人吾妻:J.G.バラードの「溺れた巨人」批判っていうのがあるんですけど。巨人の死体が海岸に打ち上げられるという話ですが、このパロディでとり・みきさんが描いたのが、溺れた巨大なバカボンのパパという。巨人伝説っていうのは、各地にあるらしいんで、これはSFじゃないという批判なんですね。



●萩尾→吾妻オススメ本

司会:お話は尽きないのですが、先ほど吾妻さんが萩尾さんにオススメの3冊をあげていただきましたが、萩尾さんの方から吾妻さんにオススメの本を今日もってきていただいているということですが。

萩尾:自分の好みとしては多分この「クチュクチュバーン」も「粘膜人間」も手に取らなかったと思うので、こんなふうに読んだら?と言われると、これも運命かなという感じもありますから、吾妻さんに、とりあえず運命で。いろいろあるんですけど、まずはハーレクインロマンスを。

時の旅人 クレアダイアナ・ガバルトン「時の旅人 クレア」っていう、シリーズ物でたくさん出ているんですが。タイムスリップものなんですけど。イギリスの現代の女の人と、1600年か1700年頃のスコットランドの若い族長が出会って恋に落ちるという話なんです。革命があったり、戦争があったり、波瀾万丈な人生がありまして。クレアさんは現代から来ているので現代の知識があります。「王家の紋章」イギリス版。やっぱりその時代の歴史を調べたし、ドラマチックで、とってもおもしろい話なんです。これを知ったのはある時、新潟に行く用事があって、行った先で本を買うんです。そうしたら「時の旅人 クレア」シリーズが平積みになっておいてあるんです。新潟の人ってこんなの読んでいるんだと思って、そのときはスルーしたんですね。その後、用事があって奈良に行ったんです。奈良の書店に入ったらやっぱり、このシリーズが平積みになっていて、奈良でも読まれているんだ、と。その後、試しに買ってみたら、無茶苦茶おもしろかった。

世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド村上春樹の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」。村上春樹はいろいろあるんですけど、私は入っていくのが大変で、50枚目くらいで挫折しそうになったんですが、それを超えたらおもしろいと言われて、読んだらおもしろかったんです。現実とファンタジーが入り交じったような、おもしろい冒険ものです。

ブラインドサイト「ブラインドサイト」ピーター・ワッツ。最近のSFですね。チャイナ・ミエヴィルをあげてらしたから、もしかしたら、これもお好きかもしれない。こっちの方がちょっとえぐいけど、宇宙人とコンタクトを取りに宇宙空間へ出て行く変わった面々という感じで、もし吾妻さんが漫画化したらどんなにおもしろいだろうという、不思議なお話です。吸血鬼は出てくるし、脳の半分ない男が出てくるし、多重人格の人が出てくるし、いろいろです。しかも相対する宇宙人の正体は何が何だか最後までわからなくて、どうコンタクト取ればいいのかわからない。

吾妻:僕が本当に読んだことのない作家なんで、読んでみます。まさかハーレクインとは。村上春樹は「1984」だけはちょっと気になって読んだんですけど、あれはおもしろかった。パラレルワールドもので、わりとSFっぽいです。



●お互いの最新作を

アル中病棟司会:最後の質問になるかと思います。お互いの最新作について語り合って下さい。萩尾さんに吾妻さんの「アル中病棟」を読んでの感想を是非お願いします。

萩尾:本当に感心しました。アル中病棟に入った淡々とした日常をこれほどおもしろくかけるのか。実はあのうちの弟もアル中で鬱病なので、アル中の症状っていうのは割と知ってるんですが、漫画家だからここまで客観的に描けるのかもしれないけど、ここまで描けるっていうだけで、もうすごい。病棟の中なんて私達は全然見たこともないし、病気のことを患者さんと話したり、深刻な話をすることはないのですが、この仲にはそういったことがギャグとサスペンスと不思議な距離感のある友情につつまれた、いろいろが入っています。それがとてもおもしろかったです。「失踪日記」の2番目ですね。「失踪日記」もすごくおもしろかった。吾妻さん、すごいですね。

吾妻:とんでもないす。今日は巨匠と一緒に話しが出来て嬉しいす(照れ)

王妃マルゴ司会:では吾妻さんに萩尾さんの最新作「王妃マルゴ」を読んでの感想をお願いします。

吾妻:これはすごいですね。おもしろかったです。画力・構成力・キャラクター・ペンタッチ、ますます磨きがかかってまして。歴史ロマンでこんなおもしろく描けるんだって、本当に感動しましたね。昔の日記を読んでいたら、「春の小川」を読んで泣いたって書いてありました。僕は萩尾さんの漫画で泣いてばっかりいます。あれはどのくらい続く予定なんです?

萩尾:あと2~3年続ける予定なんです。

吾妻:この資料を集めたり、写真とか歴史物って大変ですよね。

萩尾:すごく大変です。だから適当にでっちあげていますから。後で何か言われたらすいませんって言おうかなって。もう還暦過ぎたから、許してとかね。

吾妻:いや、さすが萩尾さんだと思って。僕はわけあって一時期漫画描いてませんでしたけど(笑いが起こる)、その間も萩尾さんは描き続けていた。そのキャリアが違います。僕が萩尾さんに唯一、ちょっと勝っているのは、少年のリビドーを刺激する女の子を描けること。萩尾さんは少女を魅了する少年を描けるんですよ。「マルゴ」続きを楽しみにしています。

萩尾:ありがとうございます。



●質疑応答

質問1:お二人それぞれにお好きな映画を教えて下さい。

萩尾:「2001年宇宙の旅」と「ブレードランナー」がすごい好きです。そのときの気分によって変わったりするんですけど、この二作は入っています。

シベールの日曜日吾妻:「シベールの日曜日」というのが大好きなんですけども。主人公の男の子が戦争で傷を負ってるんですけど、シベールは孤児なんですが、女性の象徴的な恋人であり、子供であり、母であるという、全部を象徴している存在なんですけど。最後は悲劇に終わるんですけど、素晴らしい名作だと思います。

質問2:今お二人が注目なさっている漫画作品でオススメの作品を教えて下さい。

進撃の巨人萩尾:「進撃の巨人」にはまっています。いったいあの巨人の秘密はなんだろうと思いながら単行本を読んでいます。あと細かくいろいろあるんですけど、「進撃の巨人」はショックでした。ぱくぱく食っちゃうんだもん。途中で「進撃の巨人」ってスピンオフがいっぱい出てるんですよね。「進撃の巨人中学校」とか?買おうかどうしようか迷っています。

吾妻:奥浩哉の新作の「いぬやしき」がすごくおもしろそうなんで。相変わらず立ち読みなんですが。あと一作しか読んでないんですけど土塚理弘と亜積沙紀「吾輩ノ彼ハ馬鹿である」。美形の彼なんですが本当にバカという。すごい笑える話。あと、田丸浩史の「ラブやん」読んでると、どうでもいいなぁと癒されるんです。

質問3:萩尾先生に質問「ここではない★どこか」のシリーズを描いてらっしゃいますが、今3巻まで読んだんですけども、あのシリーズはもう続きになる予定とかはないんでしょうか?

萩尾:描けるときが来たら描きたいなと思うんですけども、あれを描いているときに東日本大震災が起こってしまって、何故かそれから描けなくなってしまったんです。あれは生方さん一家がだんだん変化していく話なんですけど、この人たちの変化の先に震災はあるのかと思ったら、なんかすごい気が重くなってしまって、ちょっとそこら辺が整理できないと描けないので、保留になってしまいました。どうもすみません。ありがとうございます。

質問4:お二人の最近好きな芸能人とかいらっしゃいましたら教えて下さい。

吾妻:アル中は「酒をやめると心に空洞があくから、その穴を埋めるものを探して下さい」と医者に言われるんですね。その中には多部未華子さんとか、石原さとみ、篠崎愛とか。僕の漫画の基本童顔でという少女が好きですね。

萩尾:私、役者さんの名前を覚えるのがすごく苦手で、古い人が多いんですけど、木村拓哉とか。いつの人だと言いたくなると思うんですが。いつまでこの顔でいてくれるのかな?と思いながら、ちょっとスリルとサスペンスなんですが。女優さんで好きな人いろいろいるんですけど、どうも名前が覚えられなくて。最近ではアンジェリーナ・ジョリーが「マレフィセント」の予告をやっていて、このオバサン観たいかなと、「老け」の方に行ってます。

コミコン質問5:インクポット受賞のときにレイ・ブラッドベリとお会いになられましたよね。そのときの心境をお聞かせ下さい。

萩尾:ブラッドベリが70になったとか、80になったとかっていう話までは聞いていたんですが、その後あまり情報を入れてなかっもので、サンディエゴのSF大会に行ったとき「ブラッドベリが来てるよ」って聞いたとき「え?まだ生きてたの?」って。「日本から来てるって言ったら会ってくれますよ」っていうんで「お願いします」と言って、何も土産はなかったんですけど会いに行って、「I Love You」と言って帰ってきました。握手してもらって。

質問6:もし次に生まれ変わるとしたら、何に生まれ変わりたいですか?

吾妻:あまり生まれ変わりたくない。そっとしておいて欲しい。

萩尾:私はちょっとやりたい職業がいくつかあって、もし生まれ変わって、それが出来るのだったら、入れ歯を作る仕事。すごい変でしょう?虫歯があって治療に行ってるうちに、すごくうまい先生に会ったんですね。かみ合わせの話とか歯の話をいろいろ聞いて、歯の1本1本つくるのが芸術的な職人技で、実際に噛んでみて、はい違うねって、1ミリの10分の1くらいくらいの差で直してくれる。これはすごいなと思って、生まれ変わる未来には入れ歯作りの人がいるかどうかわからないけど、私にはきれいな入れ歯が作れるんじゃないかと思って。私もそういう仕事がしてみたいなと。でも自分が足を折っていたら、義足作りの人になりたいとか思うかもしれない。生まれ変わったら、また何かつくる職業につきたいです。



●最後に

司会:今日の対談を終えて、お二人から最後に一言ずつお願いします。

吾妻:長い間つきあっていただいてありがとうございます。今後も機会があれば漫画を描いていきたいので、読んでいただければ。ありがとうございました。

萩尾:吾妻さん、本当に今日はありがとうございました。こんなたくさんの本のファイルまで用意していただいて。時間があったらコピーしてみんなに配りたいくらい大傑作なんです。みなさんも、今日は暑いのに来ていただいて、どうもありがとうございます。楽しんでいただければいいんですけど。今日は本当にありがとうございました。

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