2021年5月30日

「一度きりの大泉の話」書評まとめ

一度きりの大泉の話「一度きりの大泉の話」の書評をまとめてみました。プロのライターさんによるもの、掲載が有料媒体かネットでも商用運営のものに絞っています。
本サイトは読者のために「この作品はこの本に入ってる」読書ガイドとして作成された書誌サイトですが、研究者のための参考文献のインデックスもしております。その中で「書評」を全部扱っていくことは数の問題で難しいこと、マンガは新聞書評などの対象でなかったこともあり、専門誌の記事で扱われた場合しか取り上げていません。そのため、収録するページがなく、この場にまとめておいて、随時追加していく予定です。


2021.5.8
山崎まどかの『一度きりの大泉の話』評:萩尾望都が竹宮惠子に向けていた眼差しとその痛み(Reala Sound)
文=山崎まどか
https://realsound.jp/book/2021/05/post-756027.html
※山崎まどかさんは海外文学好きにはとても親しみのあるライターさんです。全体としてはさすがだなぁと思うのですが「軽蔑」はちょっと言い過ぎかなと。お母様が『週刊マーガレット』の編集をされていたお話も興味深いです。

2021.5.10
「一度きりの大泉の話」を新聞記者が読んだら(小原篤のアニマゲ丼)(朝日新聞デジタル)
文=小原篤
https://www.asahi.com/articles/ASP5642NVP54UCVL01J.html
※朝日新聞社でマンガに強い小原さんのレビュー。「大泉本」の根底にずっと流れる「裏はとっている」という言説に注目されています。この頻繁に裏があることを提示する書き方は編集側の強い意向があるのでは?と私は想像しています。

2021.5.19 夕刊(4面)
萩尾望都の衝撃―ニッポンへの発言(毎日新聞)
文=中森明夫
https://mainichi.jp/articles/20210519/dde/014/070/008000c
※途中余計なコラムの話がなければいいのなぁと思いました。

2021.5.20
萩尾望都による、一度きりの"レクイエム" ――出会いと別れの大泉時代(ダ・ヴィンチ)
文=成田全
https://ddnavi.com/review/784191/a/
※「ポーの一族」の再開と「少年の名はジルベール」の刊行が同じ年だったことは関係ありません。『フラワーズ』の15周年記念で描き始めたのがきっかけだし、2014年の講演会で続編を考えているとの発言がありました。

2021.5.20 8:00
少女マンガ解説者・和久井香菜子が読む『一度きりの大泉の話』 萩尾望都と竹宮惠子、それぞれの意志と覚悟(Real Sound)
文=和久井香菜子
https://realsound.jp/book/2021/05/post-763146.html
※たくさんのいい着目点がある書評です。中でも「「二度と竹宮さんの作品は読まない」と決めて、それを実行するのはどれだけの意志が必要だったでしょうか。」という点に着目したのはいいなと思います。その通りです。ただ小学館のパーティなどは1000人規模なので、同じ会場にいてもすれ違う程度だったのではないかと。おそらく「顔を出さない」ということはなかったと思います。

2021.5.22 08:00
【本ナビ+1】学習院大教授 中条省平 少女マンガ史の必読文献『一度きりの大泉の話』(産経新聞)
文=中条省平
https://www.sankei.com/life/news/210522/lif2105220008-n1.html
※中条先生の書評はもっと読みたいです。残念ながら短いです。

2021.5.25 10:04
<2050年のメディア>第61回 萩尾望都と竹宮惠子 二人の自伝を読む。 その前編〈サンデー毎日〉
文=下山進
https://mainichi.jp/sunday/articles/20210524/org/00m/040/001000d
※グスタフの眼病を「妻から息子のオスカーが、自分の子ではないと言われたからだ」との断定は深読みしすぎでは?それは以前からうすうすわかっていたこと。妻を殺した方でというのならまだわかります。そもそも心因性とは描かれていません。
2021.6,1 後編
https://mainichi.jp/sunday/articles/20210531/org/00m/040/001000d


2021.5.26 20:00
漫画家・萩尾望都が初めて明かす、大泉での共同生活。美化される友情物語の真実とは――(本の雑誌ーBOOK STAND)
文=鷺ノ宮やよい
https://bookstand.webdoku.jp/news/2021/05/26/200000.html
※大島弓子先生→木原敏江先生については訂正が入っています。ろくに読んでないことが発覚。

2021.5.29 5:00
(書評)『一度きりの大泉の話』 萩尾望都〈著〉(朝日新聞)
文=トミヤマユキコ
https://www.asahi.com/articles/DA3S14920804.html
※今のところ(2021.5.30)一番いい書評だと思います。短い中に、本の意図をきちんと汲んで読者に伝えてくださっています。


2021.5.9
『一度きりの大泉の話』初めて明かすあの日の出来事(HONZ)
文=首藤 淳哉
https://honz.jp/articles/-/45987
※厳密に言うとプロの方ではないですが、サイトは商用のブックレビューサイトです。

2021.4.23
gonriさんのレビュー
https://booklog.jp/users/gonri/archives/1/4309029620
※読者のレビューを全部目を通しているわけではありませんが、とてもよかったです。アップされるのも早かったので読めました。

2021.5.6
「大泉サロンなど、なかった」ー『一度きりの大泉の話』萩尾望都ーから蘇る子どもの記憶は、きっとあなたにも繋がっている。マンガを愛する全ての人たちへ。
文=小野山理絵
https://note.com/rieonoyma6468/n/n89a8d731f50c
※このブログもすごく良かったのでイレギュラーですが載せてください。twitterのプロフィールに元マンガ評論家とあり、なるほどと思いました。


2021年6月からの追加
2021.6.3
少女マンガ界のトキワ荘 大泉サロンで起きたこと(Bookwormの読書万巻)
文=唐沢俊一
週刊新潮 2021年6月10日号
https://www.bookbang.jp/review/article/686925
※商業誌に掲載される書評のレベルではない凡庸な何が言いたいのかわからない書評でした。

2021.6.14
萩尾望都『一度きりの大泉の話』が書きたかったのは竹宮惠子のことではなく(論座)
文=青木るえか
https://webronza.asahi.com/culture/articles/2021061200001.html

2021.6.15
天才・萩尾望都の恐ろしさを思い知らされる『一度だけの大泉の話』(論座)
文=青木るえか
https://webronza.asahi.com/culture/articles/2021061200002.html
※迫力のある論評です。

2021.7.2
少女漫画界における若き才能同士の葛藤が綴られた自伝『一度きりの大泉の話』(萩尾望都 / 河出書房新社)三宅花帆の今月の一冊 365 book days
文=三宅花帆
https://www.365bookdays.jp/posts/5096

2021.7.7
文=柚木麻子
「一度きりの大泉の話」(VERYママ書店)
『VERY』2021年8月号

2021.7.14
漫画家・萩尾望都がいま告白する、自身の"人間関係失敗談"としてのある「地雷」とは? Pen Online)
文=一ノ瀬 伸
https://www.pen-online.jp/article/008380.html

2021.7.23
萩尾望都「少年愛には関心はなかった」 竹宮惠子との「絶縁」の真相
『週刊朝日』2021年7月23日号
文=小谷野 敦
https://dot.asahi.com/wa/2021071500059.html
※だから「風と木の詩」は読んでないっていうのに、どうしてアンチテーゼの作品が描けるんだろう?ハナから本書の内容を信用していないという不思議な書評。

2021.7.24
2021年上半期読書アンケート
文=泉ゆたか(小説家)
『図書新聞』2021年7月24日号

2021.7.25
人の、そして漫画家の業とは
文=幅允孝
『飛ぶ教室』第66号(2021年夏7月25日発行)

2021.7(→日付なしです。7月初旬にはあがっていたと思われます)
新潟国際情報大学図書館 学生に薦める本 2021年版「一度きりの大泉の話」「少年の名はジルベール」
文=越智敏夫
https://cc.nuis.ac.jp/library/resource/book.html/2021/2103.html

2021.8.17
萩尾望都著「一度きりの大泉の話」カレー沢薫「きみにかわれるまえに」 (日刊ゲンダイDIGITAL)
文=山田昌弘(中央大学教授・作家)
https://nikkan-gendai.com/articles/view/book/293379

2021.8.20
若き日の天才の孤独と繊細さが迫る「一度だけの大泉の話」(書評現代 エッセイ・ノンフィクション)
文=内藤麻里子
『小説現代』2021年9月号 p495
講談社 2021.9.1(8.20発売)


その他