2010年12月11日

展示「萩尾望都の世界」(慶応義塾大学日吉メディアセンター)

慶応大学日吉校舎入口2010年6月に萩尾先生が講演をされた日吉の慶応大学で、11月2日~12月10日の期間、展示「萩尾望都の世界」が催されていました。11月27日に見て来ました。

開催された日吉メディアセンターは通常外部の人間は資料の閲覧・貸し出しは出来ませんが、受付に申し出れば外部の一般人も見ることはできました。しかし事前に問い合わせたところ、図書館利用者のための企画で一般向けではないため、サイト上で告知はしないで欲しいとのことでしたので、お知らせすることができませんでした。申し訳ありません。会期も終了したので、レポートという形でご報告させていただきます。

複製原画、と言っても小さめのコピーでしたし、書籍や雑誌も特に珍しいものはなかったのですが、作品を創作されるにあたり参考にされた文献は興味深いものがありました。

最大の目玉は八角メガネのサイフリートのサイン色紙だったかもしれません。もちろん写真は撮れませんでした...


展示内容概略

●主として作品紹介

  • 作品掲載誌、萩尾望都特集誌、単行本の展示(サイン入り著作は「バルバラ異界」「山へ行く」(ここではない☆どこかシリーズ))
  • 講演会で使用した画像のカラー印刷による複製原画所蔵の著作
  • 作品を書くにあたりインスピレーションを得た作品(今年6月に慶應義塾大学内で行われた、人間教育講座「物語が生まれるとき」講演内で紹介されたもの)
●複製原稿の展示
  • 「左ききのイザン」16p
  • 「イグアナの娘」カラー扉絵 冒頭9p
  • 「残酷な神が支配する」冒頭9p ⇒展示はギャラリー
●展示ケース内複製原画
  • 1970年代
     「ポーの一族」カラー複製原画2枚
     「トーマの心臓」カラー複製原画1枚 
     「11人いる」カラー複製原画1枚
  • 1980年代
     「マージナル」カラー複製原画 3枚
     「半神」複製原画 1枚
  • 1990年以降
     「バルバラ異界」カラー複製原画1枚
●ギャラリー展示複製原画
  • 「スフィンクス」カラー1枚
  • 「ポーの一族」カラー2枚
  • 「イグアナの娘」 カラー1枚
  • 「残酷な神が支配する」カラー1枚

●参考文献
ポーの一族
「風俗の歴史 1~10巻」エドゥアルト・フックス著,安田徳太郎訳 光文社 1953
「きりとばらとほしと」石ノ森章太郎 『江美子ストーリー 全1巻』に収録 虫プロ 1969

トーマの心臓
「寄宿舎~悲しみの天使~」ジャン・ドラノワ監督 1966

11人いる!
「ざしき童子(ぼっこ)のはなし」宮沢賢治 1926年発表
「十一人」小松左京 『ホクサイの世界―小松左京ショートショート全集』に収録 角川春樹事務所 2003.2
「闇の左手」アーシュラ・K・ルグィン著,小尾芙佐訳 早川書房 1978.9

マージナル
「アマゾンの時代」ジョン・ウィンダム 『ありえざる伝説』の「蟻に習いて」 峯岸久訳 ハヤカワ文庫FT57 1983.10

残酷な神が支配する
「自殺の研究」アルヴァレズ著,早乙女忠訳 新潮社 1974

バルバラ異界
「ゴルディアスの結び目」小松左京 角川書店 1977
「パプリカ」筒井康隆 中央公論社 1993
「ザ・セル」シン・ターセム監督 2000


その他
「子供たちの復讐 上下」本多勝一 朝日新聞社 1979
「ヴァンサンに夢中」エルヴェ・ギベール 集英社 1994.11
「ピエドラ川のほとりで私は泣いた」パウロ・コエーリョ著,山川紘矢,山川亜希子訳 地湧社 1997.2
「八日目の蝉」角田光代 中央公論新社 2007.3
「検屍官」 パトリシア・コーンウェル著,相原真理子訳 講談社 1992.1
「死の記憶」トマス・H. クック著,, 佐藤和彦訳 文藝春秋 1999.3

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