2018年11月

萩尾先生が第3回マンガ郷いわて特別賞を受賞されました

マンガ郷いわて特別賞2018年11月28日、萩尾望都先生が「マンガ郷いわて特別賞」を受賞されたことが発表になりました。
「マンガ郷いわて特別賞」は岩手県主催の賞で、岩手県の魅力発信や文化振興、復興等に貢献した人を表彰するもので、2016年11月に創設され、今年で3回目。第1回は松本零士先生、第2回はさいとうたかを先生が受賞されています。
いわてマンガ大賞

表彰式は「第8回いわてマンガ大賞」コンテストの表彰式に引き続いて開かれます。萩尾先生と達増・岩手県知事との対談も行われるようです。

「第8回いわてマンガ大賞及び 第3回マンガ郷いわて特別賞表彰式」
日時:2018年12月15日(土)14:00~15:00
会場:イオンモール盛岡 イーハトーブ広場(岩手県盛岡市前潟4-7-1)
式次第:
14:00~14:30:第8回いわてマンガ大賞表彰式
14:30~14:40:第3回マンガ郷いわて特別賞表彰式
14:40~15:00:萩尾望都先生、達増拓也岩手県知事記念対談
詳細はこちら

このトークショーへの観覧はどうなっているのかわかりません。
イオンモール盛岡 イーハトーブ広場
会場はイベントスペースになってますが、ショッピングモールの中なので上の方からも見えそう。
詳細は岩手県文化振興課文化交流担当(019-629-6286 平日9:00〜17:00)に問い合わせてみてください。

2018.11.28 18:05 | 受賞

萩尾先生画業50周年企画で「トーマの心臓」扉イラスト探索が始まりました

月刊flowers 2019年1月号2019年は萩尾望都先生の画業50周年の記念すべき年です。2018年11月28日発売の『月刊フラワーズ』2019年1月号で小学館から発表された企画をまとめましょう。

1.「ポーの一族」プレミアム版(上下巻)2月26日頃発売
2.「萩尾望都スペースワンダー 11人いる!」3月に発売
3. 記念プレートなどを発売予定

「ポーの一族 ユニコーン」は2019年3月28日頃発売の『月刊フラワーズ』5月号から連載再開。

そして「トーマの心臓」の扉イラストを探しています企画が立ち上がりました。
ファンはご存知だと思いますが「トーマの心臓」は連載当時人気がなく、打ち切りになりそうだったので、起死回生のため、扉イラストを読者プレゼントしました。原画を抽選でもらえたという、すごい企画です。

現在はおそらくファンの手元に大切に保管されているはずです。45年たった今、これを萩尾先生ともう一度対面させたい、そして記念行事の中に参加してもらいたいという内容です。譲渡を目的としたものではないそうなので、お持ちの方はどうか小学館まで

この扉イラスト、萩尾先生がご自身で写真で撮影した同人誌を少部数刊行されています。ファンの中にはお持ちの方もおられるでしょう。そのくらいレアなもので、単行本にも収録されておらず、掲載誌をお持ちの方しか見たことないのでは?と思われます。

私の手元にはリアルタイム読者だったファンの方の協力もあってスキャンされた画像が全部揃っているのですが、皆さんにもこれを何らかの形でご覧になってもらいたいなと思います。

「トーマの心臓」の扉イラスト(原画原稿)を探しています!(月刊フラワーズ)


【2018年12月28日追加】
「トーマの心臓」扉イラスト探索ページが立ち上がり、全ページの画像があがっています。単行本に収められていないため、見たことがない方も多いと思います。集まるといいですね。
「トーマの心臓」の扉イラスト(原画原稿)を探しています! メールでの連絡も可能になりました

2018.11.28 1:26

石ノ森萬画館へ萩尾望都SF原画展を見に行ってきました

石ノ森萬画館2018年11月24日(土)宮城県石巻市にある石ノ森萬画館に行ってきました。「萩尾望都SF原画展」は東北へと移動し、石ノ森萬画館で2018年10月27日(土)から開催されています。

石ノ森萬画館遠景石ノ森萬画館は生前、石ノ森章太郎先生ご自身がデザインを手がけた建物です。石巻市は中心地のいたるところ、石ノ森作品のキャラクターがいます。町をあげて石ノ森作品を応援しています。ところが2011年3月の東日本大震災で被災し、1階はすべて流されてしまったそうです。しばらくの間お休みしていましたが、2011年11月には再オープンしました。

石ノ森萬画館入口でロボコンやサイボーグ009がお出迎え。1階にはお土産物ショップがあり、萩尾先生と石ノ森先生のコラボグッズも販売していました。チケットを購入して入場し、ぐるっとスロープをあがります。ここにすでに石ノ森先生のバイオグラフィーが展開されています。

萩尾望都SF原画展2階にあがると、企画展と常設展のコーナーに分かれます。左が常設展で、石ノ森作品「サイボーグ009」「仮面ライダー」「キカイダー」「HOTEL」などのキャラクターなどが並びます。原画も展示されています。右が企画展で、ここに「萩尾望都SF原画展」が展開されているのです。

中は狭いですが、区切りが迷路のようになっており、黒い壁に原画が並んでいます。順路は迷路のわりに順番と方向が書いてありわかりやすくなっていました。原画は新潟以来の原画がすべて展示されています。コンパクトなので移動もしやすく、行ってもう一度観たくて戻るのも手軽でした。

ただ、スペースの都合上、複製原画は全部省略、タペストリーも4枚のみ、写真撮影コーナーも1点のみとなっています。2次資料の展示も少し少なめでした。

ルビーパフェ3階にあがると、カフェ「BLUE ZONE」で萩尾望都SF原画展のコラボメニュー、スタールビーパフェが食べられます。カウンター席からは窓の外に旧北上川が見えます。

同じ3Fのフロアに図書ライブラリーがあります。ここで以前から懸案だったことを相談してみました。「石ノ森章太郎萬画大全集」I期 全巻セット予約者特典に「石ノ森章太郎萬画大全集を語る」という冊子があり、ここで萩尾先生が石ノ森先生について語られています。もともとネットに動画であがっていたインタビューなので、おそらくそこから起こしたのでしょう。高額商品のため購入できず、国立国会図書館にも納本されておらず、ほか近隣図書館にもないので保留していた件でした。これをこの機会に見せていただけないかと思ったのです。調べていただいたところ、東日本大震災では「原画は上の階の方にあったので無事だったが、印刷物の資料はすべて地下にあったので、被災して流されてしまいました。」とのことでした。貴重な資料が失われたことは残念ですが、原画が無事だったことは喜ばしいことです。いつか石ノ森章太郎の熱烈ファンで購入者特典を持っている方に見せてもらえる日がくるといいなと思いました(→追補:この記事をアップしたらすぐに名乗り出てくださる方がいました)。

「萩尾望都SF原画展 東北会場」は2019年1月14日(月・祝)までとなります。この機会に石ノ森萬画館へ行ってみてください。
萩尾望都SF原画展 公式サイト(宮城会場)


田代島1石巻まで東京から日帰りは出来なくはないですが、少し厳しいなと思ったので一泊しました。翌日せっかくなので石巻港から猫の島で知られる「田代島」に行ってきました。本当に猫がたくさんいるのか?と疑問でしたが、行ってみると、本当に猫がたくさんいました。

田代島2みんな健康そうで毛づやもよく、皮膚に問題を抱えているような猫は一匹も見当たりませんでした。目やにが少し気になる猫もいましたが少数。定期的に医師の診察を受けているようです。えさはきちんと島の人が管理してあげているので、観光客はあげないのがルールです。猫たちは人慣れしているのでしょう。少し遠目から手を出すとちゃんと寄ってきてくれて、触らせてくれる猫もいました。

田代島にゃんこザプロジェクト 田代島便り

石巻港からは片道1時間ほどです。1日3往復の船となるので(網代島ライン。仁斗田港)、時間的な制約もありましたが、お天気よく海もきれいで、気持ちよく猫と過ごすことができました。石ノ森萬画館へ行かれる方は、時間があれば是非。

2018.11.26 0:12 | イベント

スタジオライフ「なのはな」の製作発表記者会見で萩尾先生が鼎談に登壇されました。

なのはな製作発表記者会見2019年2月~4月、劇団スタジオライフが萩尾望都先生の「なのはな」を舞台化します。2018年11月15日、その製作発表記者会見が開かれて、萩尾先生と脚本・演出の倉田淳さん、そして福島出身の作曲家・明石隼汰さんの「特別鼎談」が行われました。私も行ってきました。

萩尾先生は「なのはな」を描いた経緯を、倉田さんは、今「なのはな」を舞台化しようと決意したいきさつをお話になりました。明石隼汰さんは20年来の萩尾先生のご友人でパソコンの先生だそうです。「なのはな」に登場する石田音寿のモデルで、福島弁の監修もしました。物語で石田音寿が歌う「ALARAソング」の「アララ」とはALARA原則のアララ。「As Low As Reasonably Achivable」、つまり「合理的に達成可能な限り低く」を意味する略語で人体への被曝をできるだけ少なくするよう努力することを意味します。2011年5月当時東電の社長が住民に土下座をしたことを受けた歌詞になっています。

土下座なんかしなくていい
うちの冷蔵庫をかえしてほしい
うちのフタンをかえしてほしい
水をもとにもどしてほしい
うちの牛をもどしてほしい
畑のキャベツをもどしてほしい
村の小道をかえしてほしい。


この歌詞はもちろん萩尾先生の書かれたもので、「生活が失われるということはどういうことかと思って」とこの詞を書かれた理由をお話され、倉田さんも「切々と、心にしみる」とおっしゃっていました。

そして、詞だけだったものが今回のこの「なのはな」公演で明石さんが作曲して実際に歌われるとのこと。この会見場で明石さんがさわりだけ歌ってくれました。萩尾先生が「もし足りなければ歌詞を足しましょうか」とまでおっしゃっています。

また、音寿が村の祭りに帰ってきて歌を歌う、という設定も福島市の「わらじまつり」の曲「わらじ音頭」を2007年にリニューアルした「ダンシングそーだないと」を明石さんがつくって歌った、という経緯から思いついたそうです。明石さんは石田音寿役でこの舞台に客演されます。


記者発表

萩尾先生はこの「なのはな」を「自分のために「希望」が描きたかった」とおっしゃっていて、倉田さんも「忘れ去られてはいけない」と奮起してこの作品を舞台化しました。来年の2月スタートです。

Studio Life公演「なのはな」(原作:萩尾望都脚本・演出:倉田淳)
東京公演:2019年2月27日(水)~3月10日(日)東京芸術劇場シアターウエスト
大阪公演:2019年4月12日(金)~4月13日(土)ABCホール(※4月14日(日) OSKA SPECIAL EVENT有)

2018.11.15 23:31 | イベント