2018年11月15日

スタジオライフ「なのはな」の製作発表記者会見で萩尾先生が鼎談に登壇されました。

なのはな製作発表記者会見2019年2月~4月、劇団スタジオライフが萩尾望都先生の「なのはな」を舞台化します。2018年11月15日、その製作発表記者会見が開かれて、萩尾先生と脚本・演出の倉田淳さん、そして福島出身の作曲家・明石隼汰さんの「特別鼎談」が行われました。私も行ってきました。

萩尾先生は「なのはな」を描いた経緯を、倉田さんは、今「なのはな」を舞台化しようと決意したいきさつをお話になりました。明石隼汰さんは20年来の萩尾先生のご友人でパソコンの先生だそうです。「なのはな」に登場する石田音寿のモデルで、福島弁の監修もしました。物語で石田音寿が歌う「ALARAソング」の「アララ」とはALARA原則のアララ。「As Low As Reasonably Achivable」、つまり「合理的に達成可能な限り低く」を意味する略語で人体への被曝をできるだけ少なくするよう努力することを意味します。2011年5月当時東電の社長が住民に土下座をしたことを受けた歌詞になっています。

土下座なんかしなくていい
うちの冷蔵庫をかえしてほしい
うちのフタンをかえしてほしい
水をもとにもどしてほしい
うちの牛をもどしてほしい
畑のキャベツをもどしてほしい
村の小道をかえしてほしい。


この歌詞はもちろん萩尾先生の書かれたもので、「生活が失われるということはどういうことかと思って」とこの詞を書かれた理由をお話され、倉田さんも「切々と、心にしみる」とおっしゃっていました。

そして、詞だけだったものが今回のこの「なのはな」公演で明石さんが作曲して実際に歌われるとのこと。この会見場で明石さんがさわりだけ歌ってくれました。萩尾先生が「もし足りなければ歌詞を足しましょうか」とまでおっしゃっています。

また、音寿が村の祭りに帰ってきて歌を歌う、という設定も福島市の「わらじまつり」の曲「わらじ音頭」を2007年にリニューアルした「ダンシングそーだないと」を明石さんがつくって歌った、という経緯から思いついたそうです。明石さんは石田音寿役でこの舞台に客演されます。


記者発表

萩尾先生はこの「なのはな」を「自分のために「希望」が描きたかった」とおっしゃっていて、倉田さんも「忘れ去られてはいけない」と奮起してこの作品を舞台化しました。来年の2月スタートです。

Studio Life公演「なのはな」(原作:萩尾望都脚本・演出:倉田淳)
東京公演:2019年2月27日(水)~3月10日(日)東京芸術劇場シアターウエスト
大阪公演:2019年4月12日(金)~4月13日(土)ABCホール(※4月14日(日) OSKA SPECIAL EVENT有)

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