2019年7月29日

デビュー50周年記念「萩尾望都 ポーの一族」展の内覧会&初日レポート

内覧会
内覧会の日の入口2019年7月24日、「ポーの一族」展の内覧会にプレスおよび関係者に混じって参加してまいりました。16:00の段階ではまだ突貫工事中で、本当にこれで明日開場出来るのかと思ったのですが、見る見る間に出来上がっていきました。お花がおかれていないこの入口の写真はすでに貴重かもしれません。

18:00から内覧会となり、19:00から萩尾先生と元宝塚花組トップ娘役の仙名彩世さんとのフォトセッション→トークショー→フォトセッション→囲み取材19:40終了となりました。その後、20:30まで内覧会は続けられました。

内覧会ですが、人が少ない状況で「先生が背景を描くと他の人が描くのとは違う。先生の描く背景は独特の雰囲気があるからわかる」というマネージャーさんの言葉を伺いながら、じっくり鑑賞しました。原画の線の細さと点描の美しさに「原画でなければここまで細微には見えない」ということを実感しつつ心が震え、あまりの美しさにため息をつきながら鑑賞しました。

仙名さんと萩尾先生トークショーについてはたくさんの報道が出ましたので割愛します。仙名さん、横から見ると薄っ!細っ!美しい!
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「入口」
これからエドガーに連れて行かれてしまうという演出です。準備中は風の吹き具合が絵の入るタイミング等について調整を重ねておられました。本当はあそこを入口にしたかったのに、そんなことをしたら大渋滞になりそうなのでやめたのかなと、ふと想像しました。

「ポーの一族」の世界
絵一枚ごとにプレートはありませんが、作品ごとに解説のプレートが入り、その上、作品ごとにコーナーが分かれています。ちょっと混乱して順路がわかりにくかったところもありますが、本番では皆さんの列に続いていけばわかるでしょう。

ガラスに覆われているデスクには予告の原画がありました。予告の原画はほとんどこれまでの原画展には出てきていません。「ポーの一族 プレミアムエディション 上下」に収録されているものはすべて出ているそうです。

本編もかなりの枚数の原画が出ています。重要なページはほとんど網羅してると言って良いかと。中でも扉が嬉しい。フラワーコミックス等では片方しか採用されていない「ポーの一族」第2話扉の原画が雑誌掲載時の形で出品されていて嬉しかったのですが(パーセレ・プレミアムエディションには載ってる)、第3話扉の原画は「プレミアムエディション」によると紛失されているそうです。「メリーベルと銀のばら」の第1話扉の原画もありましたが(この点描!)、第2話扉は紛失されている。「小鳥の巣」第1回と最終回の扉も大好きなのですが、第2話の扉がない。まんだらけで160万で落札されていましたね。美術品でよくあることですが個人蔵の絵を個展の際に出品してくださるとありがたいです。

「トーマの心臓」の世界
原画としては初お目見えの扉たち。色が退色しているものもありましたが、鑑賞に耐えられないレベルではありませんでした。提供してくださった皆さん、ありがとうございました。ここに「訪問者」「11月のギムナジウム」「湖畔にて」も含まれます。
「ポーの一族」「トーマの心臓」「メッシュ」「残酷な神が支配する」などの原画はすべて40周年以来です。でも一番「久しぶりだな」と実感したのは、このコーナーでオスカーに会ったからです。オスカー、元気だった?と問いかけたくなるような気持ち、わかっていただけますでしょうか?私の自宅には40周年の時の「訪問者」の複製原画が飾られていますが、大きくなったオスカーには本当に久しぶりでした。

宝塚のコーナー
撮影は可能ですが、衣装に手を触れないようにとはなっていないので、ちょっと不安でした。階段も実際の縮尺を再現しているとのことで素晴らしい出来ですが、人が歩くようには出来ていないので、乗らないでください。

萩尾望都の世界
50周年なのでデビュー作「ルルとミミ」から最新作「王妃マルゴ」まできちんと揃っていました。私は「メッシュ」好きなので、隅々まで覚えていますが、1982年のイラスト(図録p136)は初めて見ました。予告カットとも書かれていないし、初出も書いてない。未発表作品なのでしょうか?不思議な風合いの絵です。「耳をかたむけて」の単行本表紙が私は好きで好きでしょうがないのですが、この頃、先生はいろいろ実験されていたのかもしれないなと思いました。

「残酷な神が支配する」の絵は美しい。このイラスト集は素晴らしい出来でした。あと、「マージナル」の予告カット集がよかった。「バルバラ異界」の予告カットは記憶にないものが多かったです。連載で読んでいたはずなのに。

最後の方にエロガー・ポーチネロが登場します。「とってもしあわせモトちゃん」のモトちゃんとエロガーはLINEスタンプにいいのではないかしら?と思うのですが、小学館の方、よろしくお願いします。

波津先生のコーナー
この原画展のために波津彬子先生が供出してくださった原画のコーナーがまさにお蔵出しでした。貴重な絵でもちろん私達初めて観る絵で、感動しました。お姉様の花郁悠紀子先生へ萩尾先生から贈られたというメッシュの2枚のスケッチ。スケッチと言ってもすごく完成度が高いです。金沢の病院にお見舞いに伺ったときに差し上げたという逸話つきで涙が出てきました。早逝された花郁先生は本当にお人柄の良い方だったと伺っています。1972年のメリーベルともう一つのイラストも初々しい。「もう伝説のようになっている少年のころ」というのはヘッセ詩集のプロローグの一節です。「トーマの心臓」のカラーも、あれでボツとは。そして波津先生の「4/4カトルカース」のキャラが変更になってお蔵入りも扉絵用だったのでしょうか、クオリティ高い原画ですね。波津先生、本当に貴重なものをありがとうございました。

萩尾先生は以前はたくさんの絵を漫画家さんやアシスタントさんに差し上げたというお話です。波津先生のこのコーナーは退色などを考えて東京展のみだそうです。原画展はまだ続きます。漫画家さんがこうやって名乗り出て供出してくださるといいのに、と思いました。

まだ物販は開始されていませんでしたが、グッズを拝見することはできました。制作された方たちの想いや工夫を聞きながら、じっくりと買うものを絞りました。


初日
初日の入口初日7月25日。デパートは10時開場ですが、その前から並んでた方がいたそうです。私も11:00頃行きました。

この日、私は原画鑑賞はそこそこに、グッズを購入して大行列に並びました。夕方に行けばすくのはわかっていたのですが、長蛇の列を体験レポートしたくて(笑)1時間半並びました。普段は行列大嫌いですけども。同時開催のカナヘイ展と同じレジなので、たいへん混雑していました。あちらは海外の転売ヤーが押しかけていて、個数制限されているのにオーバーしてゴネてレジが詰まるという、たいへんな有様でした。でも並んでいる列で知らない感じのファンどうしの方がお話されていて、それはそれで楽しそうな光景も見られました。

グッズ
今回、デパートで展示されるものなので、たくさんのグッズが出ています。

まずは図録。出品されている原画のみならず、別冊でスケッチブックが入っていて豪華なつくりです(※図録の年表をちょこっとだけお手伝いしています)。これは必須。品切れ中ですが、朝日新聞SHOPで通販も可能です。

買ったグッズカードはワンセットのものを買いました。モノクロのカード4種はその中には入っていませんが、銀の使い方がきれいでした。モノクロのしおりは縦にカットされるべき良シーンが入っています。一筆箋3種はどれも使い勝手がよさそう。一つに2種類の絵柄が入っています。来年のカレンダーの壁かけの方を買いました。ノリタケのティーカップ&ソーサーはワンポイントでこれも通常使いができそうなので購入しました。9月末納品とのことで楽しみです。

公式サイトには載っていなかったものを記憶で書きます。ポスターの種類が不明なので再訪してメモして帰って来ます。他にあれば教えてください。

バラのエッセンス2種(ランプトンは語る、バラのロンド)
カレンダー2種(壁掛け2020と日めくり)
モノクロのポストカード全10種
モノクロのしおり全8種(2セット)
付箋2種(ポーの一族小鳥の巣前編扉)
手ぬぐい1種(エディス後編扉)
一筆箋4種(萩尾望都作品集ポーの一族1~4カバーイラスト、ランプトンは語る、春の夢、ペニー・レイン)
ポスター4種(フリージア、春の夢vol2扉、ペニー・レイン、エディス後編扉)
複製原画5種 ①フリージア 27,000円 ②ペニーレイン 41,040円 ③ランプトンは語る 41,040円 ④萩尾望都作品集ポーの一族1~4巻カバーイラスト 41,040円 ⑤バラのロンド 41,040円

クッキー缶全1種1,200円(税抜)
ローズフレーバーティー全2種1,000円(税抜)
パンの缶詰全3種各780円(税抜)ブルーベリー風味、ストロベリー風味、オレンジ風味
BICボールペン全2種各500円(税抜)
マスキングテープ(15mm)全3種各600円(税抜)
クリアしおり全6種各180円(税抜)
布製ブックカバー全3種各600円(税抜)
抗菌マスクケース全2種各500円(税抜)
ダイカットA4クリアファイル全2種各500円(税抜)
モノクロマスキングテープ
(15mm)
全4種各350円(税抜)
マスキングテープ(20mm)全1種450円(税抜)
マスキングテープ(30mm)全1種500円(税抜)
上製ノート全2種各1,200円(税抜)サイズ160×100mm
本文192ページ(96枚)
A4クリアファイル全8種各400円(税抜)
チケットファイル全6種各300円(税抜)
Wクリアファイル全1種550円(税抜)
カラーしおり全5種各130円(税抜)
カラーポストカード全30種各139円(税抜)サイズ100×150mm
マルチクロス全4種各900円(税抜)サイズ200×200mm
マグネット全10種各550円(税抜)
スマホケース全1種3,000円(税抜)対応機種 iphone8/7/6/6s
キャンバスアート(小)全6種各2,500円(税抜)サイズ140×180mm
スカーフ留め全1種1,600円(税抜)サイズφ32mm
ミニトートバッグ全1種1,300円(税抜)
トートバッグ全1種1,800円(税抜)
ポーの一族 Tシャツ全2種各3,200円(税抜)サイズ展開 S、M、L 2色
トーマの心臓 Tシャツ全2種各3,200円(税抜)サイズ展開 S、M、L 2色
ポーの一族ミニチュアアートコレクション全10種1回400円(税込)アートフレーム、イーゼル
シャンパングラス全1種2,000円(税抜)
ノリタケ ティーカップ&ソーサー全1種5,800円(税抜)受注商品


MGカフェ
MGカフェのメニュー松屋銀座の同じ8階のMGカフェでコラボメニューやっています。
「ポーの一族展」コラボカフェ 期間限定でオープン!

おもしろいタイトルですね。実際のところ、並ばないと入れないし、これ以外のメニューは出来ないし、座れてからメニューを取りにきてくれるまでに20分、頼んだものが出てくるまでに20分という状態でした(あくまで初日の話です)。「ぼくのタルト ぼくのティー」がお得感があります。

MGカフェ シフォンなら「シフォンなら バラの咲く村 ポーの村」は紅茶は別に頼まないとなりません。もうシフォンはなくなって、キャラメルのパウンドケーキになっていました。でもおいしかったです。早めに行った方が良いかと思います。

会期中にもう一度か二度はゆっくり原画を見たいと思ってます。またビデオをほとんど見ていないので、そちらも。追加するかもしれません。

ポーの一族展 8Fエスカレーター2019年7月25日(木)~8月6日(火)東京・松屋銀座
2019年12月4日(水)~16日(月)大阪・阪急うめだ本店
2020年3月14日(土)~5月17日(日) 川崎市市民ミュージアム

50周年記念のバナー

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